式典の後、第13音楽隊と連隊ラッパ隊による演奏が行なわれました。まずは音楽隊が「崖の上のポニョ」と行進曲「国民の象徴」を演奏。

続いて13名の連隊ラッパ隊が登場。ラッパは命令、号令、警報等を伝え、志気を高め、態様を整え、敬意を表す事を目的とし、現在では起床から消灯までの日課号音を吹奏し、部隊の規律、志気を高める手段として活躍しています。

第3中隊の奥田二等陸曹の指揮のもと、連隊ラッパ隊が日課号音を吹奏。「起床」、国旗掲揚・降下時の「気をつけ・君が代・休め」、「食事」、「消灯」を吹奏しました。

続いて第13音楽隊と連隊ラッパ隊が行進曲「若い瞳」を合同演奏。


11:45から訓練展示が始まりました。まずは第8普通科連隊/本部管理中隊/重迫撃砲小隊による、120mm迫撃砲RT 3門を用いての陣地進入から射撃準備、陣地変換までの一連の要領が展示されました。迫撃砲の展示というのは珍しく、私も模擬戦闘訓練の一部として以外は見た事が無かったので、大変興味深く見学いたしました。同重迫撃砲小隊は120mm迫撃砲を3門装備、小隊長・徳永三等陸尉以下41名の精鋭は、昨年の旅団射撃競技会において、射撃準備の早さと射撃の正確さを評価され優勝した、旅団ナンバー1の重迫撃砲小隊だそうです。
続いて訓練展示の後半は、普通科、特科、高射特科、戦車、航空、施設などの各職種が連携した陣地攻撃要領が展示されました。

最後にラッパ隊と音楽隊からボーカル6名が前に出て、自衛隊愛唱歌「男の群れ」を熱唱しました。濃ゆい歌でした・・・。

訓練展示の前半、重迫撃砲小隊による展示が開始されました。まずは先行班の1/2tトラックが進入。先行班は小隊長、小隊陸曹、1・2・3分隊長の5名で編成され、予定陣地の偵察、120mm迫撃砲の設置位置の決定、射撃方向の決定、後続の小隊主力の誘導を任務としています。「砲間隔20、かかれ」

各分隊長はM2コンパスを使用し射撃方向を決定。各分隊は6名編成となります。写真は方位板を設置し、反貼の準備を実施する小隊陸曹。反貼(はんてん)とは120mm迫撃砲を射撃する方向へ正確に向け、なおかつ各分隊の砲を目標に対して平行に向ける要領です。今回は方位角法という反貼の要領で実施されました。

各分隊長は空地の敵から陣地の暴露を防ぐため、ピンを打ち込んで擬装網の展帳準備を実施。

擬装網を広げ、打ち込んだピンに紐をかけ、展帳準備をします。

「小隊主力、前へ!」先行班の誘導により、小隊主力の車輌が陣地進入。

高機動車に牽引された120mm迫撃砲が、各射撃陣地に到着。

小隊長・分隊長の号令で、分隊員が120mm迫撃砲を牽引車から切り離し、射撃準備を開始。

弾薬手、操縦手が車輌から資材を降ろして準備。

各砲手は小隊陸曹と反貼を開始し、方向分画の授受を行なって砲を小移動。弾薬手は弾薬箱から弾薬を取り出し、準備をします。

反貼が終了した分隊は、砲の左前方に設置した照準コリメータ2型を狙って照準をします。

砲の前方に立てられた赤白のポールは、照準コリメータ2型が破損等して使用できなくなった場合の補助照準点として利用するための物です。

「重迫小隊、射撃準備完了!」事後、連隊長の射撃命令に基づき、第一線部隊の行動を射撃により支援します。今回は射撃行動の展示は行なわれませんでした。

「小隊、陣地変換!」連隊長の命令により、現地での射撃任務を終了し、新たな陣地での射撃任務を付与された小隊長は陣地変換命令を下達し、重迫撃砲小隊は陣地変換を開始しました。新たな任務を遂行するためすみやかに陣地を撤収し、新たな陣地へ移動して射撃任務を遂行します。

分隊長の適格な命令、指示により120mm迫撃砲の撤去、擬装網を撤収。各資材を車輌に積載し、粛々と陣地変換を実施しています。

120mm迫撃砲を牽引車に連結し、各分隊員が乗車すれば、おおむね陣地変換準備は完了。

小隊長車を先頭に、重迫撃砲小隊が新たな陣地で射撃任務を遂行するため、移動を開始しました。以上で重迫撃砲小隊の展示は終了です。

続いて陣地攻撃要領の訓練展示が始まりました。「状況開始!」

侵攻した敵部隊の装甲人員輸送車が進入し、兵員が降りてきました。敵は我が攻撃部隊を阻止するため、三柳台(みつやなぎだい)において数日の準備を持って、地雷原と鉄条網を併用した障害と陣地を構成しています。陣地前面の障害によって我が部隊の前進を阻止したところを、射撃によって撃破しようと試みる模様です。

敵の情報を入手するため、連隊長は観測ヘリコプターOH-6Dに三柳台の偵察を命じました。「オスカー、こちら連隊長。三柳台を偵察せよ」「オスカー了解」第13飛行隊のOH-6Dが進入し、航空偵察を実施しました。「こちらオスカー、敵状を送る。敵は三柳台に布陣した模様。」「連隊長、了解」

OH-6Dから敵の情報を得た連隊長は、地上の偵察部隊に三柳台の偵察を命じました。「偵察隊、こちら連隊長。三柳台一帯を偵察せよ」「偵察隊、了解」「情報小隊、了解」第8普通科連隊/本部管理中隊/情報小隊の偵察用オート2台、および第13偵察隊の87式偵察警戒車1輛による地上偵察が開始されました。

87式偵察警戒車は、車体上部に25mm機関砲、7.62mm機関銃の砲塔を備え、威力偵察を実施します。

情報小隊は倒したオートを盾に、小銃で敵陣を射撃。

我の偵察活動を妨害するため、敵も射撃を開始しました。

偵察警戒車が射撃による威力偵察により、敵の陣地を解明します。「偵察隊、こちら連隊長。三柳台の敵状を送れ」「連隊長、こちら偵察隊。三柳台に装甲人員輸送車1を含む陣地、陣前に鉄条網、地雷原を発見。送れ」「連隊長、了解」

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