第4部・感動、呉音楽隊演奏会。

 阪神基地隊を後にしたワタクシは摂津本山駅から神戸駅へ移動し、駅前のビジネスホテルで一息ついてから、17:00に神戸市中央区の神戸文化ホールへ向かいました。
 文化ホールではすでに人が外にあふれかえらんばかりに詰めかけていて、長い行列ができております。しまった、もっと早く来ればよかった。( ̄□ ̄; 入口で演奏会の当選ハガキ兼入場券を渡し会場内へ入ると、すでにほとんどの席が埋まっていました。まだ開演まで1時間もあるのに、すごいですな、これは。ワタクシは中段の一番右端の方に空いた席を見つけ、そこをゲット。かなり端っこになってしまいましたが、ま、座れただけよしとするか。


神戸文化ホールで催された海上自衛隊呉音楽隊神戸特別公演。
 周りを見渡すと、なにやらおハイソな雰囲気が漂ってることに気がつきました。席に座っている人はきちんとした身なりの紳士淑女ばかりで、間違ってもワタクシのように迷彩のTシャツに黒BDUのズボンにコンバットブーツを履いて、タクティカルベストを身に着けた人など一人もいません。(^^; なんか思いきり場違いなワタクシ。自衛隊のコンサートだしこんなカッコでも別にいいかな、と思っていたのですが、ちょっと甘かったかもしれぬ。( ̄△ ̄;;;
 まぁ、その事は気にしない事にして、開演の時間を待つ事にしましたよ。


素晴らしいソプラノを披露する藤崎恵美さん。
 やがてステージには真っ白な制服に身を包んだ音楽隊の隊員が勢揃いし、
隊長の手塚裕之三等海佐の指揮のもと、第1部の幕があがりました。まずはショスタコーヴィッチの“祝典序曲”を演奏。ちょっとお堅くシンフォニックな演奏の第1部の曲目は以下の通り。
●祝典序曲(ショスタコーヴィッチ)
●追想〜ある遠い日の〜(岡田 宏 作曲)
●吹奏楽のためのラプソディア(足立 正 作曲)
●アヴェ・マリア(シュ−ベルト 作曲)
●スタ−・ウォ−ズ 〜ハイライト〜
 
 4曲目の「アヴェ・マリア」では中国地方で活躍されているソプラノ歌手、藤崎恵美さんが美しい声を聞かせてくれました。5曲目の「スターウォーズ・ハイライト」もよかった。実はワタクシ、すでに「エピソード2」のサウンドトラックを購入してしまったくらいこの映画の音楽が好きでございまして、それを生演奏で聴けるなんてこの上ない感動でございますよ。
 その後15分の休憩をはさんで、演奏会の第2部が始まりました。第1部とはうって変わって会場と一体になったポップな内容です。まず最初は呉音楽隊の2002年バンド・テーマの演奏。軽快な音色が観客をウキウキさせます。続いてジャズのスタンダードナンバー「スターダスト」の演奏。そしてサルサ風にアレンジしたMisiaの“Everything”。マイクを手に取ったWAVEの海士長が抜群の歌声を披露します。あたりまえなのかもしれませんが音楽隊の人ってのは楽器だけでなく、歌もすごくうまいんですよね。
 お次はサンバの名曲「ティコティコ」。


Misiaの“Everything”を歌う海士長。
 続いてはプログラムにない曲目、中高年の人向けに「兄弟仁義」「涙の連絡船」「天城越え」「与作」など懐かしいメロディを16曲アレンジで演奏する「昭和歌謡曲メドレー」。
 そして再び歌に戻って、ゴスペラーズの「ひとり」。6人の隊員で歌うのですが、メインボーカルのお兄さん、めちゃめちゃかっこいいっす。よくあんな声が出るよなぁ・・。そしてそのまま「明日があるさ」を会場も一緒になって熱唱。もう盛り上がりは最高潮です。
 鳴りやまない拍手の中、これにてコンサートは終了。手塚三佐も舞台袖へ引き上げました。


ゴスペラーズ「ひとり」を情感たっぷりに。
 そして当然のように巻き起こるアンコールの声。再びステージへ出てきた手塚三佐はちらっと腕時計を見て「まだ時間大丈夫?」てな仕種で会場を湧かせてから、指揮棒を振り上げました。次の瞬間後ろのスクリーンにパッと映し出された旭日旗と共に、鳴り響く「軍艦マーチ」! 会場からは「おぉ〜!」というどよめきと手拍子の嵐。海上自衛隊音楽隊による「軍艦マーチ」。この曲を演奏するのにこれ以上ふさわしい部隊があるでしょうか。 


「明日があるさ」を会場も一緒になって熱唱。
 さらにアンコールに応え、第1部ですばらしいソプラノを聴かせてくれた藤崎恵美さんが再び登場、「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」を唱いました。そしてこれが本当に最後の曲、自衛隊愛唱歌「ひそかな祈り」を、さきほど「Everything」でマイクを握った海士長が唱い上げます。
初めて聴いた歌でしたが、とてもいい歌ですね。スクリーンに映し出される海上自衛隊の隊員達の姿とあいまって、思わずジンときてしまいました。すごくいい歌なので、著作権違反になるかもしれませんがちょっと歌詞をご紹介します。


旭日旗の演出が素晴らしい、「軍艦マーチ」。

自衛隊愛唱歌「ひそかな祈り」

あなたは まだ若いから
自由がどれほど 大事なものか
見えずに 暮らしていてもいい
わかる時が いつか来るだろう
平和のために 汗を流す
若者たちの いることが
I pray for peace. Peace of the world forever.
I pray for peace. Peace of the world forever.

おまえは まだ小さいから
命がどんなに 大切なのか
知らずに 遊んでいればいい
わかる時が いつか来るだろう
平和の陰に 人の知らぬ
父の努力の あることが
I pray for peace. Peace of the world forever.
I pray for peace. Peace of the world forever.

誰でも いま自由なら
この世がどうして 美しいのか
考えなくても それでいい
わかる時が いつか来るだろう
平和の花が 咲き続ける
豊かな大地 あることが
I pray for peace. Peace of the world forever.
I pray for peace. Peace of the world forever.

※歌詞は撮影したビデオから聴き取ったものなので違うところがあるかもしれません。特に英語がアヤシイ・・・(^^;
歌に先立つ海士長の挨拶
「皆様の目の届かないところで、日々がんばっております海上自衛隊を、これからもどうぞよろしくお願いいたします。」
そうなんですよねぇ、今もインド洋でがんばっている隊員達をはじめ、日々日本を守っている彼等自衛隊員に心よりエールを送りたいと思います。会場ではいつまでも拍手が鳴りやみませんでした。
 こうして20:00に演奏会も終了し、ワタクシは夕食をとってからホテルへ戻りました。明日は伊丹市にある陸上自衛隊千僧駐屯地の創立記念行事。少しでも疲れをとるために、演奏会の余韻を引きずりつつ早めにベッドに潜り込みましたよ。〈了〉


ラストナンバー、自衛隊愛唱歌「ひそかな祈り」。
すごくいい歌でした。

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おまけ写真
輸送艦「ゆら」と掃海艇「くめじま」の間に大量にいたボラ。
かなりでかいです。そばにいたおばちゃんが言うには、
「大阪湾のボラは臭くて食われへん」そうです。(^^;