海上自衛隊 砕氷艦しらせ一般公開 in 境港



砕氷艦「しらせ」一般公開に行ってきました!

すっかり秋めいて朝夕の肌寒さを感じる今日このごろ。皆様いかがお過ごしでしょうか。私も日々仕事に忙殺され、帰宅して食事と風呂を済ませるともう寝るだけ、という毎日が続いております。ますます自衛隊イベントからは遠のいてしまう状況ですが、まぁそこはそれ、これでも家庭を持つ身なもので、中年太りの身体に鞭打って頑張っている次第です。
さて、もう2ヶ月近くも前の事になってしまいますが、9月15日(土)・16日(日)の2日間、鳥取県は境港市において、海上自衛隊の砕氷艦「しらせ」の一般公開が行われましたので、16日の方に行ってまいりました。
先代の艦名を引き継いだ2代目「しらせ」は2009年5月に就役した新鋭の砕氷艦で、全長138m、全幅28m、基準排水量12,650トンという大型艦です。毎年11月頃の南極への出港を前に、この時期総合訓練を兼ねて日本各地に寄港しており、その際に艦の一般公開が催されているわけですが、私としては今回が初の見学となりました。ちなみに新聞報道によれば、今年は函館や門司など全国5港を巡り、境港には先代「しらせ」から数えて15年振りの寄港ということでした。
さて当日16日(日)。「しらせ」の公開は午前と午後の部に分かれており、私は午後の部で見学することにして、少しゆっくり目に自宅を出発。11:00頃に境港に到着して地元のおいしい海鮮でお昼ご飯など食べてから会場に行けばいいだろうと思っていたのですが・・・正直これが甘かった。境港あたりは山陰地方独特ののんびりしたイメージしかなかったもので、艦艇の一般公開といえど見学客も少なく閑散としているのではないかとタカをくくっていたのですが、いざ臨時駐車場に着いてみるとそこにはすでに「満車」の看板。隣の商業施設の駐車場にも駐車待ちの車列ができている始末。誘導に従ってようやく空きスペースに車を停め、会場へのシャトルバス乗場へ行ってみると・・・。
「なんじゃこりゃー!」
そこにはすごい数の人・ひと・ヒトの行列が。しかもあとから気がついたのですがこの行列、一列ではなく折り返して3重くらいになってます。もうすぐ午前の公開も終わる時間だというのに、ちょっとすご過ぎないか? 過去に経験した艦艇広報でも最高クラスの人出ではなかろうか。ここにきて自分の見通しの甘さに愕然です。やはりしばらくイベント遠征から遠ざかると勘が鈍るというかヤキがまわるというか・・・。
とりあえず気を取り直し、昼食のあとシャトルバス乗場からほど近い夢みなとタワーに上って「しらせ」を遠巻きに撮影などしてから、午後の部の行列に並ぶ事にしました。(結局シャトルバスは午前・午後の部で隔てる事なく運行されたようですが・・・)同行した嫁さんの「疲れたー」という愚痴を聞きつつ、シャトルバスに乗車するまで1時間と20分。ようやく一般公開会場である境港外港昭和南埠頭に到着したのが13:30でした。

臨時駐車場の近くにある「夢みなとタワー」の展望室から、北側に位置する昭和南埠頭に停泊中の「しらせ」の眺め。

同じく「夢みなとタワー」展望室から、臨時駐車場のシャトルバス乗場の様子。長い行列がわかるでしょうか・・・。折り返して3重くらいの列になってます。

長い行列がじわじわ進み、ようやく1列目と2列目の折り返し地点に到達した時の1枚。みなさん根気よく並んでます。


さて、シャトルバスを降りるとそこには砕氷艦独特のオレンジとベージュに塗り分けられた、「しらせ」の巨大な艦体がデデンとそびえておりました。乗艦口である舷門が、護衛艦などと異なりとにかく高い位置にあるので、見学者はそこまで舷梯を上っていかなければなりません。しかも、その舷梯は階段状のラッタルではなくスロープ状のタラップです・・・。一応しっかりした滑り止めはついていましたが、揺れるし高いし、ちょっとしたアクティビティのようでした。
見学は飛行甲板や艦首デッキクレーンのある01甲板から艦橋、そして観測隊居住区のある第1甲板などを巡るコースでした。飛行甲板では先代のときと同じく、スノーモービル、南極の氷や岩石、魚介のホルマリン漬けなどが展示されていましたが、搭載ヘリの公開が無かったのがちょっと残念でした。観測隊員の居室も、先代「しらせ」では情緒のある木製のベッドなどが設えられていましたが、二代目の方は普通のパイプ式のベッドになっていたり、それなりに近代的な雰囲気を感じさせる造りになっていました。

臨時駐車場と一般公開会場は数台のバスがピストン輸送してましたが、チャーターした民間会社の数台のバスだけでは足りなかったのか、近所の航空自衛隊高尾山分屯基地から人員輸送車が駆り出されていました。

「しらせ」の停泊する昭和南埠頭に到着。

電光表示板を見ると、艦番号の5003にちなんで見学者5003人目突破のお知らせが表示されていました。

乗艦口の舷門がすごく高いところにあります。タラップがかなりの角度なのがわかるでしょうか。

舷門までのタラップの床面はこんな感じです。滑り止めがついてはいますが、少々怖かったです。(^^;;

飛行甲板へ上がってきました。艦尾方向からヘリコプター格納庫の眺め。

「しらせ」は護衛艦などと比べて幅があるので、飛行甲板も広く感じます。

飛行甲板の一層下、第1甲板の最後尾に掲揚されている自衛艦旗。「しらせ」が海上自衛隊の所属であることを示す一番の証左かもしれません。

「しらせ」に搭載されているスノーモビル、「YAMAHA RS Viking Professional」。全長3.27m、重量356kg。「しらせ」には4台搭載されているようです。

展示物のひとつ「南極の石」。大小2種ありましたが、写真で確認する限りどうも旧「しらせ」から引き継いだ物のようですね。

ヘリ格納庫内では歴代南極観測船の模型が展示されていました。

魚介の標本も展示されていました。手前の方は「ミナミイチレツダコ」というそうです。この標本自体は国立極地研究所・極域科学資源センターという機関の保有物であるようです。

火災時に使用する防火つなぎ1号。

防火つなぎの足下にはヘルメットやマスク、ボンベなどが展示されていました。

日立から寄贈されたペンギンの等身大ぬいぐるみ。

「しらせ」の展示物としては定番の「南極の氷」。南極大陸を覆う氷の厚さは平均で1,850m、厚いところだと4,500mもあるそうです。

境港市には航空自衛隊美保基地がありますが、この日は日曜日にも関わらずC-1輸送機が何機も飛んでいて、「しらせ」からも見ることができました。

飛行甲板から左舷側の通路を通って艦首側に移動します。写真は艦首から艦尾方向の眺め。

艦首に出ました。

艦首には貨物庫に物資を搬入するための巨大なデッキクレーンが2基装備されています。
左右両舷に2艘ずつ搭載されている救命艇。寒冷地仕様のため、密閉されたカプセルタイプとなっています。1艘あたりの定員は58名とか。その後ろには内火艇も見えます。

こちらは下艦後に撮影した内火艇「しらせ01」。

膨張式救命筏のケースは、他の自衛艦のものと異なり両端がツルンとしたデザインです。

←戻る 次へ→