■「いせ」搭載車両

飛行甲板の艦尾に展示されていたトラック・クレーン。25tの吊り上げ能力を持ち、ヘリコプターの撤去など各種航空支援作業の他、VLSへのミサイル装填作業にも使用されます。

これは初見の装備です。艦上救難作業車P-25J。自衛隊では「ひゅうが」型に初めて搭載されたのではないかと思います。艦上での航空機の事故時に速やかに人命を救助するとともに、航空機および艦の被害を局限する目的で使用されます。

操作員席のハンドルおよびメインコントロールパネル。米国製の車両なので、パネルの表示はすべて英語になっていました・・・。

P-25Jの前部中央に装備されているメインターレット。吐出量は最大1893リットル/分です。

P-25Jは2輛展示されていましたが、車体右側に搭載している消火器に違いがありました。「いせ1」の方にはハロン消火器が3本搭載されています。

こちらは「いせ2」。ハロン消火器1本と「空気ガス」と書かれたボンベが2本搭載されていました。

「いせ1」の車体上には火炎防護衣も展示してありました。航空機の火災事故などの際、通常の消防服装では近づけない場合に着用されるものです。

航空基地でよく見かける、けん引車(航空機用3t)。豊田自動織機製で、最大牽引力は3500kgfです。艦艇に搭載されたのは「ひゅうが」型が初めてだそうです。

これも初見の装備、ヘリコプタけん引装置。ヘリコプターの車輪を挟んで持ち上げ、有線式のリモコン操作で牽引することができるそうです。IHI製。

展示はされてませんでしたが、艦内の航空整備庫に停めてあった高所作業車。その後ろにはフォークリフトも見えます。

13:00から陸上自衛隊/第14飛行隊のヘリコプター2機が飛来して「いせ」の上空を数回パスしました。

第14飛行隊のOH-6D。

同じくUH-1J。

よく考えたら、私が第14飛行隊のヘリを見るのは初めてのことでした。


都合3時間半くらいかけて見学を終え、「いせ」を下艦。13:00からは陸上自衛隊/第14飛行隊のヘリ2機が飛来するという事だったので、それを見た後、13:30頃に坂出港をあとにしました。まだ時間も早かったので、坂出港の対岸にあたる瀬居町へ渡って「いせ」の左舷側を撮影したあと、自宅への帰路につきました。
梅雨明け前のこの日、曇りのち雨との天気予報は大きく裏切られ、朝から青空の広がる非常に良いお天気となりました。海沿いという事もあってか湿度も高く本当に蒸し暑かったですが、「いせ」を初めて見学することができ、大変満足した一日でございました。「いせ」乗員のみなさん、並びに香川地方協力本部のみなさん、誠にありがとうございました。
〈了〉

参考文献:「ひゅうが」型護衛艦モデリングカイド〈イカロス出版〉

帰り際、坂出港林田岸壁の対岸にある瀬居町へ立ち寄り、「いせ」を眺めてみました。距離にして2kmほどです。朝には何も見えないほど靄っていましたが、昼過ぎにはだいぶん晴れて写真のような感じで「いせ」の姿を見ることができました。


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