護衛艦「いせ」一般公開 in 坂出港



護衛艦「いせ」一般公開に行ってきました!

7月15日(日)・16日(月)の2日間に渡り、香川県は坂出市に所在する坂出港林田岸壁において、海上自衛隊の護衛艦「いせ」の一般公開が行われましたので行ってまいりました。ここ数年自衛隊イベントから足が遠のいている私ですが、坂出港が私の住む岡山から瀬戸大橋を渡ってすぐの近場である事と、なんといっても海自最大の護衛艦が公開されるということで、これはぜひ見学しておかねば!と、すっかり重くなった腰を上げた次第です。
迎えた7月15日(日)。09:00から一般公開開始ということでしたので、07:00過ぎに岡山の自宅を出発し、予定通り少し早めの08:00頃に坂出港の臨時駐車場へ到着しました。駐車場から会場まではシャトルバスも往復するらしいのですが、私が着いた時間にはまだ運行されていなかったため、徒歩で会場へ向かいました。会場となっている林田岸壁が近付くにつれ、次第に建物の影から艦番号「182」と記された「いせ」の艦首部分が見えてきました。もうここだけでもその大きさが容易に想像できたのですが、、いざ艦の全景が見えるところまで来ると、その山のような巨大さに圧倒されてしまいました。「で、でかい!( ̄□ ̄;;」というのがストレートな第一印象でした。
全長197m、全幅33m、基準排水量13,950tという、従来の護衛艦と比べると破格の巨体を誇る「いせ」は、「ひゅうが」型護衛艦の2番艦として2011年3月に就役した新鋭艦で、現在は第4護衛隊群/第4護衛隊に所属し、呉基地を定繋港としています。特筆すべきはその艦型で、艦首から艦尾まで全通した飛行甲板を持ち、艦橋構造物が右舷側にシフトしたいわゆる「航空母艦」型となっています。似たような艦型の自衛艦に「おおすみ」型がありますが、こちらはあくまでも輸送艦であったのに比べ、「ひゅうが」型はまぎれもなく「ヘリ空母」と呼ぶにふさわしい艦容と機能を備えていると言えるでしょう。艦名が「ひゅうが」「いせ」と旧海軍の航空戦艦であった「日向」「伊勢」を引き継いでいる事からも、海上自衛隊の本型に対する強い期待を感じさせます。
外側から「いせ」を見学していると、その巨体に見合わず従来の護衛艦に比べて戦闘的な物々しさをあまり感じませんでした。兵装もそれほど見当りませんし、ステルス性を考慮して平面で構成された、実にスッキリしたデザインだからかもしれません。

坂出港林田岸壁に向かって歩いていくと、「いせ」の艦首部分が見えてきました。これだけでも従来の護衛艦に比べ桁違いの大きさである事がわかります。

DDH182「いせ」の右前からの全景。でかいです!

「いせ」右後ろからの全景。


08:30頃には、乗艦口となっている右舷舷門前から見学客の長蛇の列ができていましたが、艦自体が巨大だからか、一般公開が開始されるとその列もあっという間に捌けてしまいました。私もしばらく外側から艦を見学した後、いよいよ「いせ」に乗艦。公開されていたのはヘリ格納庫と飛行甲板だけでしたが、じっくりと時間をかけて見学させていただきました。

08:30頃の様子。すでにお客さんが長蛇の列になっています。
■香川地方協力本部の広報コーナーと車両群

「いせ」の見学の前に、岸壁の車両群など撮ってみました。車両展示としては陸上自衛隊/第14旅団/第15普通科連隊/第1中隊の高機動車が参加。

展示車両ではありませんが、香川地本の業務車1号。日産のウイングロードです。近年、業務車1号は従来のOD色を改め、メーカー指定色の黒の車両を調達しています。

こちらも日産のウイングロード、香川地本の業務車2号。

香川地本の業務車2号、日産ADバン。少し古いタイプで、旧ウイングロードと同一構造の商用車です。

これも香川地本の業務車2号。現行のウイングロードと同一構造の日産ADバンです。こうしてみると今回の地本車両は日産車ばかりですねぇ。

岸壁で実施された香川地本の広報コーナー。ちびっ子向けに制服試着撮影コーナーなど催していました。

広報コーナーのテントの傍では、東日本大震災における自衛隊の活動を紹介したパネル展示が行われました。

「いせ」の一般公開が始まり、見物客が次々と乗艦していきます。通常の護衛艦のように狭い甲板ではなく、広い格納庫への乗艦であるため、長い行列もあっというまに捌けてしまいました。
■「いせ」外観ディテール

艦首に設けられた繋留用のスタンドローラーは、ステルス性を考慮して蓋が付いています。資料を見ているとこれは右舷側と艦尾にのみ設けられているようですね。左舷側は飛行甲板の張り出しがあるのであまり接岸には向かないのか、フェアリーダーが何ケ所かに設けられているだけのようです。

右舷舷梯。広報役員ではない隊員が上陸する際の出入口になっていました。舷梯には「護衛艦いせ」と書かれた青い幕がつけられています。

見物客の出入口となった格納庫甲板入口。資料ではこちらが舷門になるようです。舷門は格納庫への車両の搬出入にも使用されるためスロープ状になっており、これは航行中は二つ折りで格納され、開口部の蓋になります。

艦橋、煙突、マストなどが一体になった上部構造物。前部の艦橋は航海艦橋となっています。全体に平面で構成された実にすっきりとしたデザインですね。

前部・後部の艦橋に挟まれる形で設置されている第1および第2煙突。第1煙突は前部機関室用、第2煙突は後部機関室用となっています。機関はCOGAG方式ガスタービン(LM2500)4基を搭載。

後部艦橋はヘリの運用を行う航空管制室となっています。

右舷後部に装備されている膨張式救命筏。従来の艦艇には見られない、板状のパーツが取り付けられています。これは救命筏の俵状の形状がステルス性を確保するのに不利であるため、レーダーの反射を海面方向へ向けるための措置です。

ちなみに裏側はこんな感じです。

右舷後部に搭載されている作業艇、「いせ01」。このスペースはロール状に巻きとられた金網状のステンレス製スクリーンシャッターで開閉できるそうです。

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