海上自衛隊 岩国航空基地祭



岩国航空基地祭に行ってきました!

10月4日(日)、山口県は岩国市に所在する海上自衛隊岩国航空基地において、航空祭が挙行されましたので遠征してまいりました。私も訪れるのは2005年以来実に4年ぶりとなるこの航空祭、同じ岩国基地とはいえ二十数万人が訪れる5月の米軍フレンドシップデーと異なり、人出も少なく大変まったりとしたイベントです。
当日朝05:15頃に岡山を出発して山陽自動車道を西へ。3日夜は仲秋の名月だったそうですが、その名残りが山の向こうへ沈みかけ、大変美しい景色でした。途中休憩を挟みながら順調にドライブし、08:05頃に入場門となるコントラクターゲートの付近に到着してみると、既に会場待ちの長い長い車列ができており、私もその最後尾に並びました。08:00には開門になっているはずだしこの車列もすぐに捌けるだろう、と最初のうちは楽観していたのですが、待てど暮らせど列が前に進む様子がありません。コントラクターゲートの数百メートル手前の交差点は3方向から流れてくる車の合流点になっており、これを数台ずつ交互に誘導しているので時間がかかっているのかなぁ、などと思っていたのですが、それにしても進み方が遅すぎる…。プログラムによれば09:00から記念式典開始、との事だったのですが、その時間が近付いてもまだ入場門は見えません。少し進んでは停まり、また少し進んでは停まりを繰り返し、ようやく入場門へ辿り着いたのは09:25、列に並んで既に1時間20分が経過した頃でした。前回訪れた時はこんなことはなかったと思うのですが…。さらにゲートを通過したところで足止めされ、海自隊員の厳重なチェックを受けます。まず航空祭のパンフと、入場許可証のような物を手渡されてダッシュボードに掲示しておくように指示。その先では車のナンバーを控えられ、代表者の氏名・連絡先・同乗者の人数を記入。それからようやく先へ通されるのですが、走行中は車の窓は全開にし、会場に着くまでは車内からの撮影は禁止、などの注意を受けました。ゲートの脇ではショットガンを携行した米兵の姿も見えましたし、さすがに自衛隊のみの基地と違って警戒も厳重ですね。入場する車1台1台にこういう対応をしてるわけですから、そりゃ列もなかなか進まんわなぁ…。もちろん軍事施設ですから、警戒に手を抜かれるよりは断然マシですが。
そんなこんなでようやく駐車場に車を停めたのが09:40頃。急いで式典会場となる第4格納庫前に向かいましたが、既に司令官式辞と来賓祝辞などは終わった後で、1日郡司令の任命の辺りからの見学となりました。燃料高騰の影響で昨年は中止されていたという祝賀飛行も今年は実施され、MH-53E掃海・輸送ヘリ×3機、T-5練習機×3機、U-36A訓練支援機×1機、US-2救難飛行艇×1機、US-1A救難飛行艇×1機、EP-3電子戦データ収集機×1機、OP-3C画像情報収集機×1機、UP-3D電子戦訓練支援機×2機が航過しました。


08:00過ぎ、入場待ちの車列に並びました。地図で確認したところ、コントラクターゲートまで約600mといったところでしょうか。この時はすぐに入場できると楽観していたのですが…。


09:19頃、列もだいぶん進みましたが、まだゲートは見えません…。


ようやく会場に辿り着いたのは09:50頃。すでに式典は始まっていて、司令官式辞や来賓祝辞が終わったあとでした。


整列した隊員達。向かって右側にはセーラー服姿の海士の集団。


中央には海曹の集団。


向かって左側には幹部の集団。


1日群司令に任命されたミス岩国の倉重 恵理子さん。階級章を見ると海将補ですね。こんなべっぴんさんになら指揮されてみたい自衛官も多いのではないでしょうか。(^^ ちなみに過去、女性自衛官として将補まで昇進したのは海自と空自で1名ずつで、両名とも既に退官されているそうです。


10:03頃から祝賀飛行が開始されました。先頭は第111航空隊(岩国)のMH-53E掃海・輸送ヘリコプター×3機が航過。編隊長は第111飛行隊長、小林二佐。先頭は#8624、右翼は#8627、左翼が#8630です。この機体も数年中に見られなくなってしまいそうですね。


続いて教育航空集団/小月教育航空群/第201教育航空隊(小月)のT-5練習機×3機が航過。編隊長は松村三佐。先頭は#6341、右翼#6337、左翼#6338です。T-5は海上自衛隊パイロットを目指す航空学生が最初に操縦桿を握る航空機で、海上自衛隊で唯一アクロバットができる機体です。


続いて航空集団/第31航空群/第91航空隊(岩国)の U-36A訓練支援機が航過。#9204。機長は久保田三佐。U-36Aは海上自衛隊初のジェット機で、艦艇に対する訓練支援を任務としています。


続いて航空集団/第31航空群/第71航空隊(岩国)のUS-1A、US-2の新旧救難飛行艇が航過。この両機種は1年365日、昼夜を問わず救難待機しており、これまでの救難出動回数は841回、救助人員は823人に達しています。


手前側を飛んだUS-2救難飛行艇、#9902。白地にブルーのラインが入った試作2号機です。


奥側を飛んだUS-1A救難飛行艇、#9089。


続いて航空集団/第31航空群/第81航空隊(岩国)の EP-3電子戦データ収集機、#9174が航過。機長は第81飛行隊長、杉本二佐。EP-3はP-3C哨戒機をベースに新たに作られた機体で、相手の艦艇・航空機等から出される様々な電波を探知・収集する事により我が国周辺を監視しています。


続いて航空集団/第31航空群/第81航空隊(岩国)のOP-3C画像情報収集機、#9132が航過。機長は竹田一尉。OP-3Cは側方監視画像レーダー、長距離光学監視センサーを用いて遠距離から天候・昼夜を問わず相手艦艇の画像情報を収集します。


最後に航空集団/第31航空群/第91航空隊(岩国)のUP-3D電子戦訓練支援機×2機が航過。編隊長は第91航空隊副長・平井二佐。手前が#9161、奥が#9163。#9163は旧塗装のままですが、#9161はノーズ部分だけグレーに塗り直されてますね。上の写真では判りませんが、#9161は垂直尾翼の部隊記号「91」もありませんでした。


式典の終了に際し、儀杖隊が入場してきました。


整列する儀杖隊。この後、君が代吹奏のもと国旗と自衛艦旗に対し捧げ銃が行なわれました。


退場する国旗と自衛艦旗。


退場する隊員。音楽隊が居るのに、ドラムマーチはなぜか録音したものが使われてました。


10:20からは小月の第60期航空学生32名による一糸乱れぬファンシードリル演技、さらにその後下総航空基地のカラーガード隊「下総マリンブルー」による演技が行なわれました。カラーガードは久々に見ましたが、相変わらず華やかで良いですねェ。
10:43からはU-36A、 UP-3D×2機による飛行展示が実施されました。U-36Aはジェット機ならではの上昇性能などを見せ、UP-3Dはエンジンを1基停止しての飛行などを披露していました。


続いて航空学生によるファンシードリル演技です。入場前に整列する第60期航空学生。女子学生も2名含まれています。


入場する航空学生。


1日群司令、倉重 恵理子さんに対し捧げ銃の栄誉礼。


演技開始です。横2列に並んだ学生が、小銃を身体の前、横でクルクル回転させています。


十字になったり円になったり交差したり、複雑な隊形変換を見せます。


伝統の大技、送れ銃。動きながらの銃交換には高い技量が必要とされます。このあと反対方向に動きを変えてもう一度銃交換。


サイレントドリルと呼ばれる楽器も笛も無しでの演技。音がないのでタイミングが計り辛いと思いますが、見事な銃交換を見せました。

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