航空偵察、および地上偵察の結果をもとに、我の攻撃を容易にするため、地形上の要点である色の台一帯に対し、ヘリボン攻撃を行ないます。攻撃に先立ち、ヘリボン部隊を援護するため、2の台の敵に対し対戦車ヘリコプターAH-1Sが20mm機関砲により制圧射撃。
「こちらコブラ、目標2の台散兵、発射ようーい、発射!」


航空部隊の射撃援護下に、多用途ヘリコプターUH-60JA、大型輸送ヘリコプターCH-47JAから先遣小隊が降下します。この先遣小隊の降下を、 AH-1Sが射撃により援護。
「こちらコブラ、目標2の台散兵、発射ようーい、発射!」


降着した先遣小隊は、続行する主力の安全化をはかるため、降着地域周辺の要点を確保します。
「小隊は黒の台一帯の敵を撃破し、要地を確保する。1分隊、黒の台右後方を奪取せよ。2分隊、黒の台左後方を奪取せよ」


先遣小隊が黒の台一帯を攻撃し、要地の確保に成功しました。
「中隊長、こちら1小隊。黒の台一帯の敵を撃破し、要地を確保した!」
「こちら中隊長了解、中隊主力はすみやかに追及する」


CH-47Jが、吊り下げ方式により軽装甲機動車2両を空輸してきました。この吊り下げによる輸送は、装備品等の大きさによって機内搭載できない場合や、ヘリコプターが着陸できない地域へ輸送する場合に行ないます。


吊り下げを行なう装備品は車輌やFH-70などの火砲の他に、森林火災等の災害派遣において消火作業に使用される空中消火用バケット等があります。


別の地域に分散降着していたヘリボン部隊主力の第一波が、軽装甲機動車で第二波の降着地域に合流します。


軽装甲機動車に乗り込んだ先遣小隊が移動を開始しました。
「小隊は主力の降着を援護する。1分隊、赤の台を警戒」
「1分隊了解」
「2分隊、青の台を警戒」
「2分隊、了解」
「敵を発見したならば、すみやかに射撃せよ」


軽装甲機動車が主力の降着を援護するため、青の台に現れた敵を射撃します。
「分隊、青の台 散兵、撃て!」
車上の5.56mm機関銃MINIMIを射撃。
「撃ち方、やめ」


CH-47J2機が、機内搭載による高機動車を含む中隊主力を空輸してきました。CH-47Jの機内搭載による輸送は、人員については1個小銃小隊、車輌については軽装甲機動車や高機動車などを搭載する事が可能です。


CH-47Jの機内から、高機動車が降りてきました。
「中隊長、攻撃準備完了!」
「こちら中隊長了解。中隊主力は色の台等を攻撃する。前へ!」


降着した中隊主力は、目標方向を警戒しながら攻撃前進を開始しました。
続いて場面は地上部隊の攻撃に移ります。ここでは地上部隊の攻撃における戦術行動および戦果拡張について展示されます。


はじめに偵察小隊の前進要領。偵察部隊は隠密行動、または強行突破により敵警戒線の後方に潜入して、偵察活動を行ないます。今回は火力を発揮して、敵の警戒線を強行突破する要領が展示されます。まず襲撃部隊が不意急襲射撃により敵に混乱を生じさせ、これに乗じて潜入部隊が敵警戒線を突破します。会場左手からは先導班が87式偵察警戒車で進入してきました。
「小隊長、こちら2班。畑岡台上、前方を視察中。オレンジの台 装甲車1、黒の台前面 散兵確認。」
「了解、小隊は強行突破により前進を継続する。襲撃部隊、1班、2班、軽装甲車班。射撃位置、左稜線および右稜線。射撃目標 オレンジの台 装甲車、黒の台前面 散兵、指命。潜入部隊3班、オート班は当初3の台および4の台警戒。事後、3班に続行」
左稜線の87式偵察警戒車、および右稜線の軽装甲機動車が敵装甲車と敵歩兵に対し、不意急襲射撃を行ないます。


「襲撃部隊、撃て!」
87式偵察警戒車と軽装甲機動車が不意急襲射撃を開始。
「撃ち方やめ、潜入部隊 前へ!」


襲撃部隊の射撃によって生じた敵の混乱に乗じて。潜入部隊は一挙に敵の警戒線を突破します。潜入部隊が前進経路上の残敵に対して射撃を行ないます。
「前方散兵、連装行進射、撃て!」
87式偵察警戒車が74式車載7.62mm機関銃で走行しながら射撃。
「命中、撃ち方やめ!」


「潜入部隊、前進続行。オート班前へ」
「襲撃部隊、部隊主力に合流」

このように偵察部隊は指揮官が状況判断を容易にできるような情報を収集するため、あらゆる手段を尽くして前進を継続します。


「こちら偵察隊長、敵は色の台から三段山にかけて防御の体勢をとっている模様」
「こちら団長、了解。富士教導団はA道・B道沿いに攻撃、三段山を奪取して、当面の敵を撃破する!」
敵状報告を受けた富士教導団長は、攻撃命令を下達しました。攻撃開始に先立ち、攻撃前進を容易にするため、我の前進を妨害する敵に対して、火力戦闘部隊が砲迫火力を施行して敵の戦力を弱体化させます。まず先ほどの偵察活動によって判明した敵に対し、OH-1による空中観測のもと120mm迫撃砲、特科火砲が二段山・三段山を、81mm迫撃砲が2の台を目標に攻撃準備射撃を行ないます。
「こちらAOP、観測準備完了」
「こちら特科、攻撃準備射撃初段発射。……初弾、だんちゃーく、いま! 攻撃準備射撃開始!」


続いて我の攻撃を射撃支援するため、74式戦車部隊および対戦車部隊が射撃陣地を占領します。進入した74式戦車部隊は対戦車部隊等と共に我の攻撃を射撃支援する部隊で、我の攻撃前進および障害処理を妨害する敵戦車、および対戦車火器等を撃破します。


現在右の台には対戦車部隊が既に射撃陣地を占領していますが、通常射撃陣地への進入は夜間または発煙等により我の機動を秘匿、あるいは砲迫火力の援護下に行ないます。我が特科部隊の攻撃準備射撃間に判明した三段山および6の台の敵戦車に対し、対戦車部隊が79式対舟艇対戦車誘導弾および87式対戦車誘導弾により同時弾着射撃を行ないます。
「TOT25秒前…79発射!…87発射!」


時間差をつけて発射された79式対舟艇対戦車誘導弾と87式対戦車誘導弾が目標に同時弾着しました。
「命中!撃ち方やめ!」


さらに4の台および5の台に現れた敵戦車に対し、74式戦車が射撃。
「4の台戦車、対榴 1班集中撃て、前へ!…命中!撃ち方まて」
「5の台戦車、対榴 1班集中撃て、前へ!…命中!撃ち方まて」


富士教導団は逐次敵の戦力を弱体化させながら、敵陣前の障害処理を開始します。
「こちら戦教2中隊長。3の台、5の台正面の地雷原を処理する。特科は障害処理支援射撃を頼む。施設小隊は戦車用通路の開設、3小隊、4小隊、現在位置において施設小隊を射撃支援!」
「こちら特科、了解」
「施設小隊、了解」
「戦車小隊、了解」


施設小隊の障害処理を支援するため、特科部隊が発煙弾の射撃を行ないます。
「障害処理支援射撃、初弾発射。経過秒時11秒……初弾、だんちゃーく、いま!」
特科部隊による障害処理支援射撃が始まりました。発煙弾が広い地域を覆い隠していきます。
「第2弾、発射!」


「戦車中隊長、こちら施設小隊。3の台および5の台正面の地雷原を処理する。援護頼む」
「障害処理開始了解。援護する」
74式戦車小隊が施設小隊の障害処理を直接妨害する3・4・6の台の敵を射撃します。
「6の台装甲車、対榴 2班集中、撃て!…命中!撃ち方まて」
「3の台戦車、対榴 2班集中、撃て!…命中!撃ち方まて」
「4の台装甲車、対榴 1班集中、撃て!…命中!撃ち方まて」


特科および戦車などの射撃援護のもと、施設小隊の92式地雷原処理車が左の台、および右の台で処理用ロケット弾の投射準備を開始しました。74式戦車小隊が障害処理を妨害する4・5・6の台の敵戦車を射撃します。
「4・6の台戦車、対榴 班集中正面射、撃て!…命中!撃ち方まて」
「5の台戦車、対榴 1班集中、撃て!…命中!撃ち方まて」


障害処理支援射撃により、障害処理を妨害する敵は制圧された模様です。左右の台の地雷原処理車がランチャーを上昇させ、投射体勢に入りました。
「戦車中隊長、こちら施設小隊。地雷原処理用ロケット弾、投射準備完了、投射する」
「こちら中隊長、了解」
「投射ようーい、投射!」


地雷原処理車は26個の爆薬ブロックを内蔵した処理用ロケット弾を投射し、投射した爆薬ブロックの爆発で地雷を爆破処理する事により、戦車用通路を一挙に開設する事ができます。今回は爆薬ブロックを実際の4分の1に減らしたものを使用しています。


爆薬ブロックの爆発により地雷が誘爆し、地雷原に通路が開設されました。
「中隊長、こちら施設小隊長。投射成功、戦車用通路、開設完了」
「こちら中隊長了解。中隊は三段山へ向け攻撃する」


「こちら特科、前進支援射撃を開始する」
特科部隊が中隊主力の攻撃前進を密接に支援するため、攻撃前進の速度や状況に合わせ、三段山から二段山方向に目標の種類に応じて曳下射撃や着発射撃により射撃目標を次々と遠くに移動していく射程延伸を行ないます。
「こちら特科、初弾発射、経過秒時11秒……だんちゃーく、いま!前進支援射撃開始」


「戦教2中隊、攻撃開始線通過」
前進支援射撃のもと、90式戦車2小隊が畑岡に攻撃前進します。

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