陸上自衛隊 桂駐屯地創立54周年
中部方面後方支援隊4周年/関西補給処桂支処49周年記念行事



桂駐屯地祭に行ってきました!

9月21日(日)、京都府京都市に所在する陸上自衛隊桂駐屯地において、駐屯地創立54周年/中部方面後方支援隊4周年/関西補給処桂支処49周年記念行事が挙行されましたので遠征してまいりました。8月下旬の富士総合火力演習、せっかく入場券が当たっていながら大雨のため泣く泣く遠征を断念した私にとって、久々の陸上自衛隊イベントです。私は過去、大学時代から8年間この京都市に在住していた事があり、大阪へ遊びに出る際にはいつも阪急電車を利用していたのですが、その車窓から見えていたのがこの桂駐屯地でした。とはいえ、当時は自衛隊イベントに出かけるという事もしておらず、近場でありながらこの駐屯地を訪れる機会も無いままでした。阪急電車の車窓からも「おー、自衛隊さんがいるなぁ」という程度にしか眺めていなかったのですが、あれから十数年、今回初めて同駐屯地を訪問する事ができました。
21日早朝05:00、岡山市の自宅を出発。2日前までは今日は曇りのち晴れ、という予報だったはずですが、前日になって曇りのち雨の予報に変わり、時間別詳細では朝6時から夕方6時まではずっと「弱雨」との大変ありがたくない予報。総火演をキャンセルした私の心の傷をさらに抉るような、慈悲のかけらもないお天気の神様に悪態をつきつつ、山陽道を東へひた走りました。途中、龍野から姫路辺りまでは運転が困難になるほどの土砂降りに見舞われましたが、大阪吹田に入った頃には次第に小降りになり空も明るくなりはじめました。うんうん、いいぞー。さらに京都市に入った時には雨も止みすっかり安心していた私。しかし08:30に桂駐屯地に到着したとたん、またもや空が真っ暗になり辺りの風景が霞むほどの土砂降りに。(T□T この時点でかなり凹んでしまいましたが、まぁ、せっかくここまで来たし、記念行事は雨天決行だし、ということで気を取り直して開門待ちの列に並ぶことにしました。
09:00に開門し、駐屯地内の駐車場に停車。多少勢いは衰えたものの相変わらず雨は降り続いていますが、カメラバッグにカバーを掛けてFoxFireのポンチョを被り、さっそく会場に向かいました。(余談ですが、雨天でのイベント遠征には合羽よりポンチョの方が使い勝手が良いです。カメラごと上から被って雨をしのぐ事ができますし、ポンチョの中でいろいろカメラの操作もできますし。)
会場となるグラウンドはすっかり水浸しで、人影もほとんどありません。過去の記録を見る限りでは昨年も一昨年も雨天だったようですが、さすがに3年連続雨模様の記念行事となると隊員さんも辟易してるんじゃないでしょうか。
桂駐屯地の歴史を少し紐解いてみますと、同駐屯地は昭和29年11月に、旧三菱重工用地に宇治駐屯地桂分屯地として開設、その後幾多の部隊改編を経て、現在は中部方面後方支援隊(後方支援隊本部・本部付隊、第107全般支援大隊、第103不発弾処理隊、中部方面輸送隊)、関西補給処桂支処、第318基地通信中隊桂派遣隊、第115地区警務隊桂連絡班などが駐屯しています。特に後方支援部隊を擁する事から、平成17年には第3次イラク復興業務支援隊、第5次、および第6次のイラク復興支援群に部隊を派遣するなど、国際貢献にも活躍しています。
さて、桂駐屯地には前述の三菱重工時代の巨大な工場建物が現存しており、雨天の場合はグラウンドではなくその建物で式典を行なうとの事でしたので、09:30頃中に入り式典開始を待つ事にしました。この工場は戦時中の昭和19年から旧三菱重工京都発動機製作所として使用されたもので、航空機のエンジンを作っていたそうです。建物自体は大変古いものですが、なにしろ広い!内部はいくつもの区画に分けられて整備や訓練に使用されているようです。どれくらいの大きさがあるのかと思って、 GoogleMapでおおよそのサイズを測ってみたところ、東西200m、南北350mほどもありました。隊員さんも工場内は自転車で移動しているようです。驚きの広さですね。

08:30頃、桂駐屯地近くの様子。土砂降りです。なにやらこの日、京都市には大雨洪水警報が出ていたそうで・・・。

開門直前の桂駐屯地正門。私が着いた時にはまだ数台の車が並んでいる程度でした。

雨天時の式典会場になるはずだった、旧三菱重工の工場跡。準備万端のようですが、建物が古いせいか雨漏りがしていました。(水たまりの辺り)

この工場跡、とにかくだだっ広い!写真だといまひとつスケール感を伝えられないのが残念です。


10:00が近付いた頃、雨も小降りになったのか「式典は外で行ないます」と隊員さんが知らせに来てくださったので、慌ててグラウンドに戻りました。階段状に設えられた観覧席はまだガラガラでしたので、一般席の最上段を確保。その頃には雨も上がり、涼しい風が吹くようになっていました。
10:00、中部方面後方支援隊長兼ねて桂駐屯地司令・藤枝 茂樹一等陸佐を執行官に、中部方面後方支援隊副隊長・松保 健一等陸佐を参列部隊指揮官として、桂駐屯地創立54周年/中部方面後方支援隊4周年/関西補給処桂支処49周年記念行事が開始されました。

まだ降り止まない雨の中、入場する参列部隊(観閲部隊ではなく、参列部隊、とアナウンスがありました)。

各部隊長入場。参列している各部隊の指揮官が別途に入場してきました。

整列する参列部隊。隊旗やスカーフが緑や紫、紺色など、後方支援部隊ならではの色合いです。

参列部隊指揮官入場。参列部隊指揮官を務める中部方面後方支援隊副隊長・松保健一等陸佐が1/2tトラックに乗車し会場入り。

参列部隊指揮官に対し敬礼。

執行官に対し敬礼。登壇し参列部隊に答礼する執行官、中部方面後方支援隊長兼ねて桂駐屯地司令、藤枝茂樹一等陸佐。執行官が常装ではなく迷彩服を着用しているのは珍しい気がします。

部隊着け剣。国旗入場を前に、64式小銃に銃剣を装着する参列部隊。64式の銃剣てやっぱり長いですね。

国旗入場。国旗が観閲台に登壇した後、音楽隊の君が代吹奏のもと、国旗に対し敬礼が行なわれました。

巡閲に際し、執行官を迎える参列部隊指揮官。

藤枝一等陸佐による巡閲。

巡閲を終えた藤枝一等陸佐。なかなか凛々しいお顔をしておられますね。

執行官式辞。桂駐屯地の歴史、世界情勢、駐屯地と地域との連携などについて触れ、「隊員諸官にあっては、この桂駐屯地で勤務できる事を誇りとして、我々の任務遂行のため実力をさらに向上させるとともに、“良き伝統の継承、地域と共に”を合図に、地域から信頼される桂駐屯地の発展のため、精進・努力してくれる事を強く要望します。」と隊員を激励されました。

来賓祝辞。まずは財務大臣(当時)/衆議院議員、伊吹文明氏。国際貢献や国内での災害派遣に際して、補給・兵站が欠くべからざる物である事などをひとしきり語られた後、「皆さん方はこのような大切な任務を果たす自衛官であると同時に、国民の税金で維持されている、いわゆる公務員であります。その事を充分自覚され、日々精励される事を期待し、桂駐屯地がますます発展される事をお祈りします」と、財務大臣らしいお言葉を述べられました。

続いて衆議院議員、中川泰宏氏による祝辞。先日の某国潜水艦の領海侵犯事件に触れ、この潜水艦がすぐに撤退したのは自衛隊のおかげである事を感謝するとともに、自衛隊が日々精進できるよう、自分も国会の中で頑張っていく、と述べられました。大変大きな声の祝辞でした。

続いて参議院議員、西田昌司氏による祝辞。インド洋への自衛艦の派遣問題やテロ特措法など、政局のために、本来しなくてはならない自衛官の任務の遂行に支障が起こりつつある。また防衛省設置法も野党側の思惑から審議が行われず、結局は廃案になるなど、政局に利用されている事が残念である。国防に関する事は政局ではなく、政治家の責任を与野党ともしっかりと果たしていくことが望まれる、と述べられました。

国旗降壇。もう一度音楽隊の君が代吹奏で敬礼をおこなった後。国旗が退場しました。

最後に執行官に対し敬礼を行ない、式典は終了。参列部隊指揮官も部隊の敬礼を受けた後退場しました。

音楽隊のドラムが鳴り響く中、参列部隊が退場。

雨模様でしたが、観覧席はそこそこの人の入りでした。

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