陸上自衛隊第305、304施設隊 吉井川渡河防災訓練展示



渡河訓練展示を見学してきました!

1月19日(土)、岡山県岡山市の吉井川弓削地区にある吉井川緑地公園において、陸上自衛隊第305、および304施設隊による渡河防災訓練が一般公開されましたので、見学してまいりました。自衛隊イベントもすっかりオフシーズンなこの時期、しかも岡山市在住の私にとっては気軽に行ける近場という好条件。当HPを見てくださっている吉備人さんからメール&掲示板の書き込みをいただいて初めてこのような催しがある事を知ったのですが、ここしばらく地方協力本部のHPも全くノーチェックだったもので、危うく何も知らないままスルーしてしまうところでした。吉備人さん、まことにありがとうございました。
さて、当日10:30に会場となる吉井川緑地公園に到着。駐屯地祭などと違って、このような何もない河原に自衛隊の車輌や器材が集結しているのを見ると、妙に新鮮な感じがしますね。訓練自体は数日前から行われていたようで、ここから1Kmほど下流の河川敷に宿営地を設けて渡河訓練を実施していたとのこと。ただし三軒屋駐屯地が近いので、食事はそちらから運搬し、風呂も隔日ペースで駐屯地へ帰っていたそうです。
先着していた岡山県人さん、吉備人さん、WAPCさん達お仲間と談笑しながらしばらく待っていると、11:00から訓練展示が始まりました。
訓練展示に先立ち、実施部隊を代表して第305施設隊長、三浦二等陸佐より挨拶がありました。施設科部隊が普段様々な訓練を行っていること、本日展示する渡河装備は自衛隊の本来任務である国土防衛のための物であるが、台風や大雨などに際しての災害派遣にも非常に有効な装備であることから、渡河訓練の際には防衛と防災というふたつの目的で訓練を実施していることなどを簡潔に述べられました。
訓練展示は下記の想定のもと実施されました。
中国地方を横断した台風の影響により吉井川が氾濫、橋が流出し、孤立した被災者が救助を求めているとの報告を受けた岡山県知事は、陸上自衛隊に災害派遣を要請。出動命令を受けた第305施設隊および第304施設隊が現地に到着。川のむこう岸が被災したと仮定して、第305施設隊が軽門橋を2基、軽徒橋を1基、第304施設隊が81式自走架柱橋を架橋。
自走架柱橋は事前に3スパンまでが連結してあり、展示では最後の1スパンを架設・連結していました。私にとっては軽徒橋や軽門橋は初めて見る装備ですし、自走架柱橋が実際の河川に架橋するところも見たことがなかったので、実に興味深く見学させていただきました。


入場する第305施設隊の隊員。よく見ると半長靴ではなく地下足袋を履いている隊員がたくさんいます。


訓練展示を前に、実施部隊を代表して挨拶を行う第305施設隊長の三浦二等陸佐。三軒屋駐屯地記念行事で参列部隊指揮官を務められた方です。


架橋に備えて待機する第305施設隊。手前の塊が軽徒橋、奥の2つが軽門橋です。


第304施設隊が担当する81式自走架柱橋はすでに3スパンまでが連結されています。以下、レポートの都合上、軽徒橋、軽門橋、自走架柱橋の架設作業を分けて掲載しますが、これらはほぼ同時進行で行われておりますのでご了承ください。


「状況開始!」「渡河器材小隊、こちら本部。徒橋を架設し、被災者を救助せよ。」「こちら渡河器材小隊長、了解!」
一斉に軽徒橋の架設に取りかかる渡河器材小隊。


ワーグナー作曲「ワルキューレの騎行」をBGMに作業は進みます。


軽徒橋は主に人員を通過させるためのもので、アルミ合金製の浮体と木製の板を組み立て、次々と押し出しながら継ぎ足すことにより、数十メートルの浮橋を架設することが可能です。


浮体と板が組み立てられていきます。


浮体と導板のセットを組み立てては連結し、連結しては押し出して構築。


渡河器材小隊の隊員が連結した徒橋の上を走っていきました。


導板の上に腰掛けて、徒橋が流されないように固定するためのロープを繋ぎます。


「本部、こちら渡河器材小隊長。橋の構築完了、ただいまから被災者を救助する」「本部了解」


軽徒橋を渡って避難してくる被災者。


「機動支援小隊、交通小隊、こちら本部。ただちに軽門橋を構築し、災害派遣車輌を渡河させよ。」「こちら機動支援小隊長、了解」「こちら交通小隊長、了解」


軽門橋の構築が開始されました。


この装備は主に車輌を運搬させるための物であり、ボートとアルミの板で構成されています。

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