海上自衛隊呉史料館「てつのくじら館」&呉市海事歴史科学館「大和ミュージアム」見学記


てつのくじら館に行ってきました!

ゴールデンウィーク後半の初日である5月3日(木)。憲法記念日であるこの日、久々に広島県は呉市へ遊びに行ってまいりました。今回は基地祭のレポートではありませんが、目的地が今春オープンしたばかりの海上自衛隊史料館「てつのくじら館」と、「大和ミュージアム」ですので、こちらにレポートアップいたします。「大和ミュージアム」はオープンして2年以上が経つにも関わらず未だ訪れた事がなかったもので、非常に楽しみにしておりました。今回「てつのくじら館」がオープンした事で、呉市はますますマニアにとってたまらないスポットとなりましたね。(^0^)
呉市へは途中まで高速道路を使って、所要時間2時間半ほどの予定です。朝08:30頃に岡山の自宅を出発すれば、余裕をもって見学できる・・・はずでした。が、私はすっかり失念していたのです。今がゴールデンウィークだという事を。1年で一番の行楽シーズン、高速道路なんか使ってまともに車が走るわけがありません。早島ICから高速道路に乗ってすぐ渋滞に捕まってしまい、のろのろ運転を強いられる羽目となりました。しかも途中の福山SAで得た情報では、この先三原〜河内間で25kmの渋滞が発生しているとのこと。これはいかん、ということで急きょ福山西ICで高速を降り、一般道を使う事にしました。が、これもやはりゴールデンウィークの為せる業なのか、三原市に入るまでまたも大渋滞。そこから先は割とスムーズに走れるようになりましたが、呉市に到着したのは予定を大幅に超過した13:00頃の事でした。しかも大和ミュージアムの駐車場の前で順番待ちの車列ができており、さらに1時間が経過。ようやく車を停めた時には14:00を超えていました。もうこの時点で「てつのくじら館」か「大和ミュージアム」のどちらかをあきらめなくてはならないと考えた私。自衛隊ファンとしては、ここはやはり「てつのくじら館」をチョイスするべき、と判断し、遅めの昼食をとった後そちらに向かいました。
「てつのくじら館」は「大和ミュージアム」と道路を挟んで向い側に建設された海上自衛隊の史料館で、海上自衛隊佐世保史料館の水上艦、鹿屋航空基地史料館の航空機と並んで、潜水艦と掃海を展示する史料館であると紹介されています。地元中國新聞の資料によれば、鉄骨3階建て延べ3600平方メートル。防衛省の史料館としては初めて民間資金活用による社会資本整備(PFI)方式を採用し、日立製作所を代表とする11社の落札グループでつくる特別目的会社(SPC)が2014年まで運営するそうです。目玉は何と言っても建物に沿うように設置された本物の潜水艦「あきしお」でしょう。陸に上がった潜水艦は実に強烈な存在感を醸し出しております。「あきしお」は「ゆうしお」型潜水艦の7番館として1986年3月に竣工、2004年3月まで現役にありました。もちろんこの「あきしお」の内部も見学できるわけですが、多少古いとはいえ現用に近い潜水艦がこのように一般に公開されているというのは世界でもあまり例がないのではないでしょうか。隣接する大型商業施設「ゆめタウン」の店内にも「てつのくじら館」への案内表示が設置されたり、また逆に「てつのくじら館」を訪れたお客さんが「ゆめタウン」で買物したり飲食店を利用したり、と持ちつ持たれつの良好な関係を築いているようです。軍事関連の施設がこれほど地元と密着しているとは、さすが旧海軍時代から続く軍港の街ですねぇ。


国道487号から大和ミュージアムへ入る道は超渋滞。特に右折車は大変でした。奥の建物は海上自衛隊呉警備隊の建物。


ようやく車を停め、呉中央桟橋ターミナルで昼食をとる事に。ゆめタウンからターミナルへの陸橋からは「てつのくじら館」の潜水艦がよく見えます。


昼食を終えて、さっそく海上自衛隊呉史料館「てつのくじら館」へ。


後ろに見えるのは大型量販店の「ゆめタウン」。こんなところにいきなり潜水艦がデーンと鎮座する様はかなりのインパクトです。


スピーカーのコーンのように見えるこれは、潜水艦の錨を収納する「アンカー・リセス」と呼ばれる部分です。


そしてこれが潜水艦の主錨。その形から「マッシュルーム・アンカー」と呼ばれます。


「あきしお」の魚雷発射管門扉。左右両舷に3門ずつ、計6門を装備しています。


「あきしお」のスクリュープロペラ。潜水艦のスクリューは非常に機密性の高いもので、この「あきしお」も展示にあたりダミーのスクリューが取り付けられています。「うずしお」型のスクリューはこのような低回転型の5翼プロペラだったらしいですが・・・。


「てつのくじら館」入場待ちの行列。私が並んだ時には45分待ちでした。
さて、入場待ちの列に並び「あきしお」の下をくぐっていよいよ館内へ。1階は海上自衛隊誕生からの歴史を綴ったパネル紹介、2階は掃海関連の資料、3階は潜水艦の資料が展示されていました。2階では機密性が高いとされる機雷や爆圧でひしゃげたフロートなど、珍しいものも見る事ができました。
3階では今や潜水艦でしか使われていないという長魚雷や、かつて「たかつき」型護衛艦で運用されていた無人対潜ヘリコプター「DASH」など、極めてレアな展示物もありました。そしていよいよ、本史料館のメイン展示物である潜水艦「あきしお」の艦内へ。「あきしお」のドテッ腹に開けられた入口から先任海曹室や士官公室を通り発令所に達する見学コースを進んでいきました。退役艦とはいえさすがに発令所は撮影禁止になっていましたので写真はありませんが、予想を上回る狭苦しさに驚きました。閉所恐怖症の人にはサブマリナーは絶対勤まらないでしょうなぁ。

いよいよ「あきしお」の下をくぐって館内へ。


公的には初の自衛隊海外派遣となったペルシャ湾掃海派遣部隊が、実際に掃討したというLUGM-145機雷。


55式2型機雷(K-13)の係維器カットモデル。機密性が高いと言われる機雷がこのように展示されている史料館はめずらしいかも。


66式機雷(K-15)の機雷缶。


66式機雷(K-15)の係維器。


3式2号航空機雷1型。


機雷の爆発によるものか、見事にひしゃげたフロート。掃海艇「さくしま」のもの。

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