護衛艦「いすず」型


〈特務艦に種別変更後の「いすず」ASU-7015  910728.舞鶴〉

諸元・性能
全長 94m
全幅 10.4m
深さ 7m
吃水 3.5m
基準排水量 1,490t
満載排水量 1,750t
エンジン 名称:三井1235VBU-45Vディーゼルエンジン×4基(「もがみ」は2基)2軸、出力:16,000ps
速力 25ノット
兵装 68式50口径3インチ連装速射砲×2、65式533mm4連装魚雷発射管×1、Mk.108対潜ロケット発射機×1(「いすず」「もがみ」)、Mk.2短魚雷落射機×2(「いすず」「もがみ」)、54式爆雷投射機Y砲×1基、54式爆雷投下軌条×1条、71式ボフォース・ロケット・ランチャー×1(「きたかみ」「おおい」、後に「いすず」「もがみ」も搭載)、68式3連装短魚雷発射管×2(「きたかみ」「おおい」、後に「いすず」「もがみ」も搭載)
乗員 185名(「きたかみ」「おおい」は180名)
備考 「くす」型警備艇の後継として計画された地方隊向けのDEクラス護衛艦で、1961年に「いすず」「もがみ」、1964年に「きたかみ」「おおい」の計4隻が就役した。護衛艦としては初めて船型に遮浪甲板型を採用しており、艦内スペースの増加、耐波性、復原性が向上した。この遮浪甲板型という艦型は、以後の海上自衛隊護衛艦の基本となっている。また艦橋も従来の回廊型からクローズ型になり、両舷側にウイングを設けた。さらに、護衛艦として初めて全艦内空調を行ない、居住性も大幅に向上している。
DEクラスの護衛艦としては初めてMk108対潜ロケットランチャーを装備し、対潜兵装では「なみ」型に匹敵する。「きたかみ」「おおい」はさらにMk108に代えてボフォース対潜ロケットランチャーを、また短魚雷落射機に代えて短魚雷発射管を装備するなど、当時のDEクラスの護衛艦としては非常に強力な兵装を有していた。「いすず」「もがみ」も後年の改装でボフォースロケットランチャーに換装している。
機関は「いかづち」型の実績をもとに、ディーゼル機関を搭載した。「いすず」型の推進プラントは2基のディーゼル機関を流体継手で繋ぐマルチプル・ディーゼル方式を採用しているが、2番艦の「もがみ」のみ機械室を1区画とし、ここに大出力ディーゼル2基を装備する形をとっている。
2番艦「もがみ」は1987年に練習艦に種別変更され、1番艦「いすず」は1988年に、3番艦「きたかみ」と4番艦「おおい」は1990年にそれぞれ特務艦に種別変更されたが、その後1993年までに全艦除籍となった。

艦記号・番号/艦名 起工 進水 竣工 製造所
DE-211 いすず
(1992.3.25除籍)
1960.4.16 1961.1.17 1961.7.29 三井玉野
DE-212 もがみ
(1991.6.20除籍)
1960.8.4 1961.3.7 1961.10.28 三菱長崎
DE-213 きたかみ
(1993.11.16除籍)
1962.7.7 1963.6.21 1964.2.27 石川島播磨東京
DE-214 おおい
(1993.2.15除籍)
1962.7.10 1963.6.15 1964.1.22 飯野舞鶴


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〈910728.舞鶴〉
艦橋構造物
〈910728.舞鶴〉
ボフォース対潜ロケット発射着、76mm連装速射砲
〈910728.舞鶴〉