March.00

00年3月分の日記です。下に行くほど古くなってます。

■00.3.20 ご先祖様は大切に。
 日本には「お彼岸」という風習(暦?)がありますね。旺文社の国語辞典によれば、春分・秋分の日の前後3日間がそれにあたるのだそうです。で、この時期には「彼岸会(ひがんえ)」と呼ばれる仏事が行われるそうです。ワタクシの家は数年前に祖父が亡くなっており、この彼岸会の時にはお坊さんを呼んでお題目を唱えてもらっています。ワタクシ自身があまりそういった宗教的な事が好きではなく、今まではこの彼岸会に列席することもなかったのですが、今回はたまたま家にいたので「あんたも長男なんじゃから、お題目唱えとかれー。(唱えておきなさい)」と家族に言われ、列席する事にしたのでありますよ。
 さて、予定の時間から1時間も遅れてお坊さんが到着。さっそく仏壇の前で正座して手を合わせます。今まで関心がなくてしっかり見たことはなかったのですが(不信心者)、仏壇てのはなかなか立派な造りをしていますね。人間てのは死んでからも金がかかることだなぁ、とぼんやり考えていると、お坊さんが
「では13ページから」
とお経のページを指定して、般若心経を唱えはじめました。お経というのはフリガナをふってはありますが、なにしろ日本語にすらなっていませんから(正確には日本語なんだけど)、わけの分からない外国語をしゃべっているのと同じで、まさにチンプンカンプンです。で、お経の本は父が使っているので、ワタクシは当然お題目を唱える事はできず、ただ正座して手を合わせてお坊さんの後ろ姿を眺めておりましたよ。
おお〜、坊さんてのは頭ホントにツルツルだな〜、あ、でもよくみると毛穴が・・・( ̄△ ̄ などと不埒な事を考えつつボンヤリと座っておりました。せめてご先祖様に想いをはせつつ、神妙な気持ちで手を合わせているべきだったのでしょうが、とにかく早く終わって欲しいワタクシは気もそぞろ。
 で、5〜6分ほど経ったころでしょうか、やはりというか何というか、足がしびれてまいりましたよ。普段正座などすることのないワタクシは、とかく正座が苦手で、すぐにしびれてくるのであります。まったく、日本人てのはなんでこんな奇妙な座り方を開発してしまったのやら。もはや坊さんの頭など眼中になく、ただひたすらに足のしびれに耐えるワタクシ。やがてお題目も終わり、みんなで一礼。ああ、やっと終わった。これで楽になれるよ〜、と立ち上がろうとしたところ、やおら坊さんがこちらを向いて
「息子さんはこちらに一緒にお住まいなんかな?( ̄▽ ̄)*」
などと話しかけてくるではありませんか! こ、こんな状態で世間話をはじめるなぁぁぁ!(T□T;;
すっかり事を終えたつもりで油断していたワタクシは坊さんの質問に愛想笑いで「はぁ、」とか「ええ、」とか曖昧な返事しかできず、はやく立ち上がりたい一心でございましたよ。
 やがて坊さんも帰り支度を始め、家族でお見送りをいたしました。坊さんはここまで自家用車で来ていたのですが、しかしなんというか、袈裟を着た坊さんに車、というのは似合わないものですねぇ。京都に住んでいたときも、やたらと原チャリに乗って街を疾走する坊さんを眼にしたものですが、やはり僧侶たるもの、せめて籠に乗って現れてほしいものです。しびれる足を我慢しつつ坊さんを見送って、そんなことを考えていた昨日の出来事でした。