10月2日(土)、愛媛県は今治の冨田新港において、海上自衛隊の砕氷艦「しらせ」が一般公開されると言うので、遠征してまいりました。私の住む高松から今治までは松山道をまっすぐ走って、いよ小松ジャンクションをちょいと北上すれば、1時間半ほどで到着できる距離です。この日の夜
浜松航空祭へ出発する予定でしたので、その前に昼間の内にちょいと行ってくるかねぇ、という程度の軽ぅ〜い気持ちでいたのですが、なんと先日の台風21号の被害で松山道が通行止めになっている事が前夜になって発覚。( ̄□ ̄; しかも一般道も各地で寸断され、JRも川之江までで折り返し運転をしている有り様。今治までの足は完全にシャットアウトされてしまっていたのです。おいおい、こりゃ行けねぇんじゃねぇのか? |
残るルートは瀬戸大橋を渡っていったん本州に入り、しまなみ街道でふたたび四国に入るか、高知道を南下して高知県から大きく迂回して行くか、ふたつにひとつ。安上がりに済ませるなら高知経由がいいのですが、なにしろ夜には浜松行きが控えています。ここはスピード重視という事で本州経由で行く事にしました。まぁ、お天気だったし、初めて渡るしまなみ街道はとても美しかったのでこれはこれで良かったのですが。
そんなことで11:00頃に今治市・冨田新港に到着。そこにはおよそ海上自衛隊の船らしからぬ、オレンジ色のあざやかな「しらせ」が停泊しておりました。「しらせ」は“砕氷艦”というよりは“南極観測船”という呼称の方が有名かもしれません。自衛隊ファンでなければ、この艦が海上自衛隊の所属であるという事を知らない人も多いのではないのでしょうか。艦内も通常の自衛艦とは異なり、通路等もパイプがむき出しになっているような箇所は少なく、また木材が多用されていて暖かみのあるデザインとなっておりました。 |

砕氷艦「しらせ」。でかくてゴツい艦です。艦名の由来は昭和基地付近にある「白瀬氷河」にちなんでいます。 |
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「しらせ」の後ろ姿。 |
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艦内通路。護衛艦とはずいぶん違った趣。 |
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南極観測隊員用の寝室。2段ベッドが設えてあります。 |
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艦内通路に飾られていた内閣総理大臣からの表彰状。平成10年に氷海に閉じ込められたオーストラリア観測船「オーロラ・オーストラリス」の救助を行なった功績に対し、当時の内閣総理大臣・小渕恵三氏から贈られたもの。 |
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長い航海をする艦なので、艦内には様々な設備があります。
ここは「恐怖の理髪屋・タイガーカットハウスしらせ本店」。問答無用でタイガーカット、つまり虎刈りにされちゃうわけですか?。(^^; |
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「タイガーカットハウスしらせ本店」の店構え。 |
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こちらは歯科治療室。コンパクトにまとまっていますね。 |
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歯科治療室の隣にある医務室。 |
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広い飛行甲板と格納庫。 |
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他の海自イベントでもたまに見かける「南極の氷」。 |
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昭和基地の付近でよく釣れるという「ショウワギス」のアルコール漬け標本。ちょっとグロいです。 |
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こちらは「ウロコギス」の標本。 |
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これはびっくりしました。水深5000mの深海で水圧により圧縮されたカップヌードルの容器。右上が元の状態ですが、約1/10に圧縮されるそうです。 |
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南極で発見された隕石。これまでに約17,000個発見された隕石のうち、8,900個は日本隊の手によるものだとか。 |
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こちらは飛行甲板に展示してあった「南極の石」。氷しかなさそうなイメージの南極ですが、しっかりとした大地のある「大陸」であることを改めて認識させてくれました。 |
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「しらせ」のマスコット、「ペンギン」。(まんまやがな!)第44次南極観測を記念して、艦の電気推進装置を製作した富士電気株式会社から寄贈されたものです。 |
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「しらせ」の搭載機、S-61A。#8186。元HSS-2B哨戒ヘリの8156号機を改造したものです。 |
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S-61Aに描かれていたペンギンと南極の氷をモチーフにしたマーク。 |
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「しらせ」が海自の艦であることを裏付ける何よりの証拠、自衛艦旗。 |
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艦橋から艦首方向の眺め。 |
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副長席。 |
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「しらせ」艦橋。これまでに見た自衛艦の中では群を抜いて広いものでした。 |
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艦の生活には欠かせないラッパ。それぞれの担当隊員の名前ラベルが貼ってあります。 |
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こちらは艦長席。足元には電子海図装置の液晶パネルなどもあり、なかなかハイテクっぽいです。 |
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「しらせ」唯一の武装か!? いやいや、砲に見えなくもありませんが、これは「環境測定装置」で、空の明るさを計るものです。国立極地研究所というところが管理しているようです。 |
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さて、そんな事で「しらせ」の見学も終了。夜の浜松への出発時刻までに、一度高松へ帰らなくてはなりません。私はふたたび本州経由で自宅へ向けて車を走らせたのでした。
どうしても見たかった「しらせ」、ようやく念願叶って見学できてよかったです。こういったレアな艦はなかなか見学できる機会がないので、思いきって遠征した甲斐がありました。
〈了〉 |