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〈富士教導団/普通科教導連隊/第4中隊(滝ヶ原駐屯地) 040718.富士〉 |
愛称 | クーガー |
略称 | WAPC |
乗員 | 10人 |
全長 | 6.84m |
全幅 | 2.48m |
全高 | 1.85m |
最低地上高 | 0.45m |
全備重量 | 約14.5t |
最高速度 | 100km/h |
登坂能力 | tanΘ60% |
行動距離 | 500km以上 |
エンジン | 水冷4サイクル6気筒ディーゼル機関 360PS/2,200rpm |
武装 | 96式40mm擲弾銃または12.7mm重機関銃×1 |
製作 | 小松製作所 |
備考 | 主として普通科部隊などに装備し、作戦機動に引き続き敵の脅威下に戦場機動して人員輸送などに使用する装輪装甲車。1992年から開発が始められ、1996年に制式化された。 従来の装甲人員輸送車輌は60式装甲車や73式装甲車のような装軌式であったが、96式装輪装甲車はコンバットタイヤを装備した装輪式の車輌であり、高速機動力による接敵機動および敵の火力脅威下での戦場機動に優れている。コンバットタイヤは地形や状況に応じて空気圧を調整できる機能を有し、また被弾などで空気が抜けてもある程度の走行が可能となっている。通常は後側の4輪で駆動しているが、いざオフロードではスイッチひとつで8輪駆動に切り替える事もできる。 主武装に自動擲弾銃を搭載したA型と、12.7mm重機関銃を搭載したB型があり、それぞれキューポラの形状が異なる。(A型のキューポラは角張っているが、B型は円筒形)。そのため搭載火器を変更するにはキューポラごと替える必要がある。自動擲弾銃を搭載したA型は効果的な面制圧力を有している。 車体は前部左にエンジンとトランスミッションを搭載、その右側に操縦席、その後方に車長席を配し、エンジンの後方には小銃班長席がある。後部は兵員室で、4人掛けのベンチシートが向い合せに備えられている。兵員室には左右2箇所ずつ、固定式の視察窓がある。車体後方にはランプを兼ねたハッチがあり、このハッチ自体にも乗降用のドアが付いている。また兵員室上面にも外開きのハッチを有しており、兵員室の隊員はここから身を乗り出して小銃射撃を行なう。このため、73式装甲車などが有していた車体側面の射撃ポートは廃されている。 上の写真の車輌は操縦室上に箱型の風防を備えているがこれは公道を走行する際のオプションで、演習時などには外しているようだ。本来は戦車や装甲車と同じ3面のペリスコープを使用する。(下記サムネイル参照) 96式装輪装甲車には公募によって「クーガー」という愛称がついているが、部隊では“Wheeled-Armored-Personnel-Carrier”の略称である「WAPC」と呼ぶのが通常のようだ。 ここに掲載している写真のうち陸上自衛隊広報センターの写真は試作車で、実車とは細部が異なる。 2004年2月にイラクのサマワに派遣された陸上自衛隊部隊の足となっている。 |