陸上自衛隊 第2混成団音楽隊 第25回高松定期演奏会



第2混成団音楽隊演奏会に行ってきました!


いよいよ年の瀬も迫った12月23日(金)。この日、香川県県民ホールにおいて陸上自衛隊第2混成団音楽隊による第25回高松定期演奏会が挙行されました。毎年恒例となったこの行事、私も無事チケットをゲットする事ができましたので、今年1年の自衛隊イベントの締めくくりとして拝聴してまいりました。第2混成団は今年度末に第14旅団に改編されますが、それに伴い第2混成団音楽隊も第14旅団音楽隊へと名称を替えます。つまり、第2混成団音楽隊としての高松定期演奏会は今回が最後という事になります。
毎年開場前には激混みとなるので、今年はちょっと早めに12:00に県民ホールへ。それでもすでに10人くらいが並んでいましたが、まぁこれなら上出来です。それから次第に長くなっていく行列を眺めつつ、1時間後の13:00、開場とともにホールへ入り、1階席のほぼ真ん中の席に座りました。そして14:00に開演。まずはいつも通り「君が代」の吹奏からはじまり、第1部の演奏がはじまりました。プログラムは下記の通りです。

第1部 勇壮なる吹奏楽の響き
♪スパイラル・タワー 鈴木英史作曲
♪おおみそか 
酒井格作曲
♪弦楽セレナーデ ハ長調 作品48より第1楽章 
P.チャイコフスキー作曲/編 堀江孝彦
♪歌劇「タンホイザー」序曲 
R.ワーグナー作曲/編 堀江孝彦・緒方宏幸

最後の「タンホイザー」序曲は私も大好きな作品で聴き応えがありました。

第2部は、第2混成団音楽隊として最後の演奏会という事で、「歴史で振り返る第2混成団の軌跡」と銘打って25年の歴史を5年ごとに区切り、その当時のコンサートで演奏された曲でプログラムが組まれていました。また、演奏中にはその当時の事件や話題等をスクリーンに写し出すという演出もされていました。演奏された曲は下記の通り。

第2部 歴史で振り返る第2混成団の軌跡
♪第2混成団歌
♪サンバ・デ・アイーダ(第1回定期演奏会より) 
G.ヴェルディ作曲/編 真島俊夫
♪くるみ割り人形 小序曲(第5回定期演奏会より) 
P.チャイコフスキー作曲/編 岩井直博
♪組曲「惑星」より第4楽章 木星(第10回定期演奏会より) 
G.ホルスト作曲/編 今井裕樹
♪クリスマス・キャロル・ファンタジー(第15回定期演奏会より) 
編/星出尚志
♪コンサートマーチ「海を渡る風」(第20回定期演奏会より) 
田中久美子作曲
♪主よ人の望みよ喜びよ 
J.S.バッハ作曲/編 A.リード

6曲目の「海を渡る風」を作曲された田中久美子氏が来場されており、舞台で挨拶もされました。
「主よ人の望みよ喜びよ」をなぜコンサートの最後の曲として選んだか、についても興味深いこだわりがありました。この曲の作曲者バッハのアルファベット表記は「BACH」ですが、これはAを1、Bを2、Cを3、という風にアルファベットに数字を付けていった場合、BACHは2・1・3・8となり、合計した数が14となることから、今年度末第2混成団から改編される「第14旅団」にかけたものなのだそうです。ちなみにバッハはこの14という数字を自分を表す数字としてとても大切にしていたのだとか。まさに次代への望みをかけた、演奏会の最後を飾るにふさわしい1曲でした。
アンコールでは第2混成団音楽隊長、酒井1尉が、2005年の世相を表す漢字として「愛」が選ばれた事に触れ、「陸上自衛隊第2混成団は、来年第14旅団へと生まれ変わります。地域の皆様に愛され続けるためにも、私達は皆様を愛し、四国の地を愛し、日本という国を愛し、そして尊い平和を愛し続けてまいります」と結び、エルガー作曲行進曲「威風堂々」第1番を演奏。
こうしてコンサートも終わり緞帳も降ろされましたが、なぜか酒井隊長が緞帳の前に取り残されてしまいました。すると司会のWACと作曲家の田中久美子氏が再び登場、なにやら3人でサンタ帽を被りました。やがて緞帳が再びスルスルと昇っていくと、そこにはサンタ帽を被り、一列に並んだ音楽隊の姿が!そして全員で手を繋ぎ会場へ向けウェーブでご挨拶。最後に「メリー・クリスマス!」というかけ声と共にクラッカーを一斉に鳴らしました!いやー、最後まで小粋な演出が行き届いております。沸き返る会場ではいつまでも拍手が鳴り止みませんでした。こうして、2005年の最後を飾る第2混成団定期演奏会も終了。本当に素晴らしい演奏会でした。


[2005年総括]
今回の定期演奏会をもって、私の2005年自衛隊イベント遠征も全て終了です。3月末の高知駐屯地記念行事から今回の演奏会まで、昨年よりも6件多く36件のイベントに参加できました。終盤はなかなかお天気に恵まれず大変でしたが、天候で中止になったイベントはなかったのでまずまず良かったのではないかと思います。今年の遠征テーマのひとつとして「今まで行った事のない基地・駐屯地へ行ってみる」というのがあり、小月基地、信太山駐屯地、松山駐屯地、高尾山分屯基地、小牧基地、春日基地、土佐清水分屯基地、福知山駐屯地と、8件の基地・駐屯地を初めて訪れる事ができました。また小松島航空基地祭、岩国航空基地祭では航空機の体験搭乗にも当選し、2度の空の旅を楽しむ事もできました。さらに昨年に引き続き「富士総合火力演習」も見学できましたし、海上自衛隊の展示訓練も舞鶴・呉と2件参加できました。そして何より今年最高の感動は、「航空観閲式」を見学できたことでしょうか。大げさでなく、一生の思い出となりました。また、昨年に続いて当サイトを訪れてくださっている方ともお会いでき、新たに何人かのお知り合いができた事も大きな収穫でした。
今年度は航空自衛隊のF-1支援戦闘機、T-2高等練習機、T-1練習機、T-3初等練習機と退役する機種が多く、航空ファンにとっては2006年は少々寂しい年になりそうですが、新たに陸上自衛隊のAH-64D攻撃ヘリ、海上自衛隊のMCH-101掃海・輸送ヘリなどがお目見えするかもしれませんし、楽しみも多い1年となりそうです。
9月以降はほぼ毎週、それも土・日と連続で遠征する事も多く、最後の方は心身共に疲れきって限界に達しつつありましたが、これも寄る年波のせいなのでしょうか。( ̄▽ ̄;; なかなか若い頃のようにはいかないですね。まぁ、それも踏まえて今年は「何がなんでも遠征に行かなくちゃ!」という焦りみたいなものに駆られてしまったところが反省すべき点だと思っております。数年前は10件程度だった遠征回数が今年は36件ともなれば、そりゃあ疲れてあたりまえなのかもしれません。なまじこのようなホームページをやっているばかりに、いつの間にかイベントに遠征することが義務であるかのような錯覚に陥ってしまい、何か心の隅でプレッシャーを感じていたのも事実です。あくまで趣味は趣味として、まずは自分が楽しむ事が大切なのであり、そこに義務感が生じてしまっては仕事と同じになり、とたんに面白く無くなる事もあるのではないか、という不安を今は感じております。そんなワケで、2006年はインターバルというわけではありませんが、近場のイベントとどうしても行きたいイベントだけに絞って、もう少しのんびりとできればなぁ、と思っております。まぁ、何ごとも無理はいけない、ということですね。これを書いている時点ですでに年も明け1月も終わろうとしているところで、気がつけば2006年最初の遠征予定である高知駐屯地記念行事まで1ヵ月もない状況ですが、とりあえずは身体を休めて来シーズンに備える事にいたしましょう。
〈了〉


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