11:50、訓練展示も終了し、会場では装備品展示の準備が始まりました。装備品展示はこのグラウンドと、体育館および用廃車輌のあるスペースの3箇所で行なわれます。とりあえずグラウンドの展示準備が終わるまで、先に体育館の方から見学。館内では小火器や防弾チョッキ、災害派遣時のパネルなどが展示されており、珍しいところでは現行の88式鉄帽と並んで、旧型の66式鉄帽が展示されていました。
体育館を出て、今度はグラウンドの展示会場へ移動。訓練展示に参加した各種車輌や航空機がところ狭しと並べられており、UH-1Jは機内を、AH-1Sもコクピットを公開し、車輌もすっかりお子様達のジャングルジムと化して、大盛況でございました。その片隅で展示されていたのが、私も富士駐屯地でしか見た事のない最新の対砲レーダー、JTPS-P16。第3特科隊/情報中隊にJMPQ-P7の後継として配備されたようですが、やはり地味な装備品のためかあまりギャラリーは集まっていませんでした。まぁ、こういうものを喜んで見るのはマニアくらいですよね…。


自走して撤収するFH-70。


賑わう模擬売店の様子。今日は時間がないため、残念ながらお昼ご飯&買い物はパスしました。


体育館内の装備品展示会場。災害派遣時などの写真がパネルで展示されていました。今年8月に台風9号の被害を受けた、兵庫県佐用町での災害派遣活動も紹介されていました。


部隊名不詳、戦闘防弾チョッキ。


部隊名不詳の66式鉄帽。ライナー(中帽)付です。展示では「鉄帽1型」と紹介されていました。現行の88式鉄帽と異なり、ホントに「鉄製」です。革製のヘッドバンドが汗ですぐにひび割れるのだとか。大宮ひろ志著「そこが変だよ自衛隊」ではこの鉄帽を鍋代わりにしてラーメンを作ったという記述がありましたが…。頭頂部がコゲたように見えるのは、ま、まさか…。(^^;


部隊名不詳、88式鉄帽。


00式個人用防護装備のフードと防護マスク。昨年の姫路レポでこのマスクを「防護マスク4型」と紹介しましたが、調べたら4型ではありませんでした。
…スミマセン。4型よりも眼鏡部分が大きくなり、水筒の水が飲めるようチューブが付属した新型だそうです。


第3特科隊の携帯地対空誘導弾スティンガの操作訓練装置(PSAM)。


第3特科隊/第4中隊の89式5.56mm小銃。


部隊名不詳、84mm無反動砲「カール・グスタフ」。


第3特科隊/情報中隊の110mm個人携帯対戦車弾。情報中隊にこういった装備があるのは、やはり偵察中に敵装甲車等に遭遇する可能性を考慮しての事でしょうか。


第3特科隊/第1中隊の12.7mm重機関銃M2。


厚生センターの傍で行なわれていた装備品展示です。第8高射特科群/第309高射中隊(青野原)の地対空誘導弾 改良ホーク。第8高射特科群でもホークから03式中SAMへの更新が始まったようで、この無骨なミサイルもそのうち見られなくなりそうですね。


第7普通科連隊/重迫撃砲中隊(福知山)の120mm迫撃砲RT。


第7普通科連隊/第5中隊(福知山)の81mm迫撃砲L16。ものほしそ〜な顔をして眺めていたら、隊員さんが「眼鏡つけましょうか?」とわざわざ照準眼鏡をセットしてくださいました。恐縮です。


12:51頃、姫路駐屯地の上空を陸上自衛隊のUH-60JAと思しきヘリコプターが2機、旋回するように飛んでいきました。何だったのでしょうか?


グラウンドで行なわれた装備品展示です。第3特科隊/第3中隊の155mm榴弾砲FH-70。


第3戦車大隊/本部管理中隊(今津)の96式装輪装甲車。


第3偵察隊(千僧)の87式偵察警戒車。


第3特科隊/情報中隊の偵察用オート、ホンダXLR250R。向こう側にはカワサキKLX250が展示されています。


第3高射特科大隊/第1中隊の93式近距離地対空誘導弾。左右のランチャに各1発ずつ訓練弾が装填されています。


第7普通科連隊/第5中隊(福知山)の軽装甲機動車。


第3飛行隊(八尾)のOH-6D偵察・観測ヘリコプター、#31246。部隊記号は「S」なので明野の航空学校の機体ですが、現在第3飛行隊に移管(貸与?)され、同飛行隊で運用しているそうです。


第3飛行隊(八尾)のUH-1J汎用ヘリコプター、#41872。


中部方面航空隊/第5対戦車ヘリコプター隊/第2飛行隊(明野)のAH-1S対戦車ヘリコプター。#73489。C-NITE型です。


14:00からは姫路名物のレンジャー訓練展示が行なわれるという事で、少しでも良い見学場所を確保しようと13:30頃に会場へ行ってみたのですが、私の考えはまったくもって甘かったようで、その時間にはすっかり黒山の人だかりができていました。ちょうど会場では姫路駐屯地白鷺太鼓の演奏中。太鼓が終われば少しは人だかりも減るかな…と考えていたのですが、まったく減る事なく、逆に混雑が増す始末。姫路レンジャーの人気おそるべし、といった感じです。結局、後ろの方から人の頭と頭の間を狙って撮影を敢行したのですが、ロープ降下など高い位置での展示はともかく、地面での展示は何をしているのかほとんど見えない状態でした。レンジャー訓練展示自体は、例年と変わらず技あり、笑いありの大変素晴らしい内容となっておりました。司会の方が「我々は芸人ではありませんので」と仰ってましたが、いや、ホント普通の芸人より数倍おもしろいですから。(^^ 笑いをとりながらではありますが、やっている事は凄いのひとこと。たゆまぬ訓練に裏打ちされた、確かな技術が光る展示でした。訓練の最後には、レンジャー隊員の一人が同僚のWACさんに、花束を片手にプロポーズするという幸せな演出もありました。(^^


マニア的には今回の装備品展示の目玉と言えるでしょう。第3特科隊/情報中隊の対砲レーダ装置JTPS-P16。観測中隊や情報中隊に装備し、主として敵野戦砲、ミサイルの位置を評定するための装備です。


レンジャー訓練展示の前に実施された格闘訓練の展示。人垣に阻まれてほとんど見えませんでしたが…。近年、イラク派遣などの国際貢献活動や、武装工作員との戦いにおいて格闘の重要性はますます高まり、それに伴って格闘訓練も逐次改良整備されています。今回展示された格闘は平成12年頃から研究が始まり、自衛隊体育学校での格闘プロジェクトチームの設立等を経て平成20年度より新たな格闘術として施行されたもので、全国の部隊において普及訓練が盛んに実施されています。


小銃を携行して戦う技術「小銃技術」、銃剣を携行して戦う技術「銃剣技術」、素手で戦う技術「徒手技術」が展示されました。

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