陸上自衛隊 姫路駐屯地創立58周年記念行事



姫路駐屯地祭に行ってきました!

文化の日の11月3日(火)、兵庫県は姫路市に所在する陸上自衛隊姫路駐屯地において、創立58周年記念行事が挙行されましたので遠征してまいりました。この日は全国的にも急激に冷え込み、岡山県北の方ではなんと積雪も観測された日で、予報では終日晴れるものの最高気温は13度とかなり肌寒くなる事が予想されました。ということでいつもより少々厚着をして、朝06:20頃岡山市を出発。国道2号線を快調に走り、08:15頃姫路駐屯地に到着すると、すでに10台ほどの車が入場待ちの列を作っており、私もそれに並びました。しばらく待って08:40頃に開門。隊員の誘導に従って駐車場へ車を停め式典会場へ向かいましたが、09:00までは会場の方へは入れないという事で、ここでもロープ際でしばらく待つ事になりました。待っている間に、本日の見学場所についていろいろ思案。姫路駐屯地は今日みたいに天気の良い日には観閲台側からだとすごい逆光になるため、撮影には不向きです。かといって光線状態の良い南側(観閲部隊の背後)からだと、目の前に整列した車輌群に阻まれて式典の様子を見る事ができません。ということで、観閲行進が終わって車輌群が移動するまでは、観閲台から見て左サイドになる会場東側から見学、その後訓練展示開始までに南側へ移動する、という変則的な手法をとることにしました。自衛隊イベントでは途中で見学場所を移動すると、他のお客さんが先に居たりして良い結果にならない事が多く、最初にできる限り良い場所を確保したらそこから動かないのが鉄則なのですが、今回は敢えてリスクを冒してみる事にしました。
09:30頃から観閲部隊が入場を始め、続いて09:44頃各部隊指揮官が入場、その後感謝状贈呈者の紹介があり、しばらくして09:52に観閲部隊指揮官、次いで10:01に観閲官が臨場して、姫路駐屯地創立58周年記念行事に伴う観閲式が開始されました。観閲官は第3特科隊長兼ねて姫路駐屯地司令・藤木 隆志一等陸佐、観閲部隊指揮官は第3特科隊副隊長・浜崎 久生二等陸佐、観閲部隊は向かって左から第3音楽隊、第3特科隊本部管理中隊、同情報中隊、同第1中隊、同第2中隊、同第3中隊、同第4中隊、第3高射特科大隊、第3後方支援連隊/第2整備中隊/特科直接支援隊、第3後方支援連隊/第2整備中隊/高射直接支援隊の並びです。式典も通常通り、国旗入場・敬礼、巡閲、観閲官式辞、来賓祝辞、来賓紹介、祝電披露と進み、その後観閲行進が実施されました。


08:18頃の正門前にできた車列の様子。私の前にはすでに10台ほどが並んでおり、後ろもどんどん列が延びていきました。


09:06頃、隊列を組んで行進する隊員達。


09:26頃、整列する観閲部隊。姫路ではこのように一旦全部隊が整列してから、入場が行なわれます。


09:28頃、入場する第3音楽隊。


『観閲部隊、入場』09:38頃、観閲部隊入場。整列した位置から中隊ごとに前進します。


整列した観閲部隊。


09:43、各部隊指揮官入場。第3特科隊の部隊指揮官を務める第三課長・黒田二等陸佐、および第3高射特科大隊長・梅木二等陸佐ならびに各幕僚が入場しました。


09:52、観閲部隊指揮官臨場。観閲部隊指揮官を務める第3特科隊副隊長・浜崎 久生二等陸佐が1/2tトラックで入場されました。


観閲部隊指揮官に敬礼。


答礼する観閲部隊指揮官。


10:01、観閲官臨場。観閲官を務める第3特科隊長兼ねて姫路駐屯地司令・藤木 隆志一等陸佐が黒塗りの業務車で入場されました。


観閲官に敬礼。


答礼する観閲官。


10:04、国旗入場。旗手と旗衛隊員2名が1/2tトラックで入場しました。


第3音楽隊の君が代吹奏のもと、国旗に対し敬礼。観閲部隊は小銃に着剣し、捧げ銃を行なっています。


藤木一等陸佐による巡閲。


観閲官式辞。
昨今の国内外情勢に鑑み、テロや自然災害への対応について、自衛隊への国民県民の期待は近年特に高まっていると述べられた上で、
「さて隊員諸官、かかる国民県民の皆様のご期待に沿うためには、まずもって自衛隊に任せておけば安心だという信頼を獲得しなければばらない。いついかなる任務が付与されても、これに迅速に対応すると共に、任務遂行にあたっては任務自体を確実に遂行する実力を養う事こそ、期待や信頼に応える基本である。このため各部隊においては引き続き高い即応力を維持すると共に、各種事態生起時に真に役立つよう創意を尽くした実戦的実際的な練成訓練を行なわなければならない。また各級指揮官を核心として、団結強固、規律厳正にして志気旺盛な部隊を育成しなければならないのである。また我々が各種任務を達成するためには、指揮官を始めとする各隊員の高い能力、知識、技能が必要であり、これらをいかなる場面でも発揮できる態勢にある事が求められている。このため明確な目標を持ち、自己の特技を練成すると共に心身を鍛え、戦士としてはもとより人間としてもさらにレベルアップをはかってもらいたい。」と結ばれました。


続いて来賓祝辞です。冒頭は民主党の衆議院議員、浜本 宏氏。
「あと2ヶ月と少しばかりいたしますと、あの忌わしい阪神淡路大震災から15年の月日がやってまいります。私自身は神戸のポートアイランドで被災をいたしました。あの震災の直後に皆さんが示された日夜を問わないあの懸命なご努力、懸命なその活動、私は今この場をお借りいたしまして再度皆様方に御礼を申し上げたいと思います。またナホトカ号重油の流出事故もありました。あの雪が降る寒い空のもとで、岩やあるいは石にこびりついた重油をひとつひとつ取る姿を、私はテレビで拝見をいたしまして、さらに皆さんが任務第一主義、この精神にのっとってそれを貫徹される姿を見て感動いたしました。自衛隊は国民と共にある、この思いを再度確認した次第でございます。目を国際情勢に向けますと、先ほど藤木司令が申されましたように近隣諸国の軍備力の増強、近代化、あるいは核兵器の開発、ロケットの発射、ミサイルの発射、こういったことがテレビや新聞等で報道されておりますように、我が国をとりまく安全保障の環境はきわめて厳しいものがあります。このような時こそ、藤木司令を中心に隊員の皆さんが日夜のさらなる研修精進をしていただいて、その精強さを維持し、そして国民から愛される、尊敬される、信頼される自衛隊の先頭に立って、これからもご活躍をいただく事を祈念してやみません。」と述べられました。


続いて自民党の参議院議員、末松 信介氏。
「山本五十六元帥、元旧日本軍でありますけども、元帥の事は皆さんよくご存知だと思います。大変逆立ちが得意な方で、宴会でもよくやられて人を喜ばせたそうであります。また艦船の甲板上で輪投げに興じて部下と一緒に交流したという思い出話を本に書かれております。私は山本五十六さんのある書を見た事があります。その中にこう書かれてありました。『国大なりといえども戦を好まば必ず滅ぶ 国安らかなりといえども戦忘れなば必ず危うし』どんな国でも強いと思って、そして力が大きな国だと思っていても、戦争を好んでいたら必ず滅んでしまうという事、そして国がどんなに安全安心であっても戦争というものを忘れてしまったら必ずその国は危機に瀕すると書かれてありました。私はその精神は戦前も今日の戦後も変わる事はないと思っています。日本は戦後平和を護り続ける事ができました。皆様方の存在大なるものがございます。しかし日本だけではなくて世界が平和でなくてはなりません。エネルギーも世界に依存しています。食料自給率も日本は40%、穀物自給率は28%程度だと思います。諸外国と仲良くしていかなきゃならないのが私達日本の運命であります。そういう点で我々は平和や国際貢献を考えなければなりません。ただ平和というものは単に与えられるものなのか、平和というものは我々が作っていくものなのか、ふた通りの考え方が出てきたと思います。私は平和は作っていかなければならないと思っています。国際貢献も憲法解釈上微妙にその考え方、捉え方の違いも出てきました。しっかりと我々はこうした問題に取り組んでいきたいと思います。」と述べられました。


続いて兵庫県知事代理、県防災監の木村 光利氏。
「県では兵庫の安心安全作りを県政の5本の柱のひとつとして、元気で安全安心な兵庫の実現に邁進しているところでございます。これはとりもなおさず、県民市民の方々が安全安心を極めて重要な問題と考えている事の裏返しと考えております。病気になりますと人は健康の事を考えます。危機や危難に瀕し、これに直面する怖れがある時に安全安心を考えます。今考えますと、世界は色んな危難危険に満ちております。世界だけではなく日本でも、地震、津波、あるいは新型インフルエンザの大流行という危機に直面しておりますが、この兵庫県におきましても、佐用町の台風9号の際に皆様の大変なご尽力をいただきました。給水活動、あるいは救難救援活動、さらには加古川や南淡路市で頻発しました山林火災における消火活動など、皆様方の大変な身命を賭した活動によりまして、こうした危難危険から立ち上がる力を地域に与えていただきました。被災の軽減にも多大な貢献をしていただきました。そして何よりも皆様方の姿を見る事によって、被災地域の人々に安心と安全の意識をもたらす事ができました。本当にありがとうございます。ますますこの危険危難に満ちた世の中では、皆様方の活動が県民市民の中で期待される事と考えております。さらにそうした活動を通じて、皆様方への信頼感も高まってくるものと思います。どうか今後とも、地域社会の安全安心のために格別のご尽力を賜りますようお願いいたします。」と述べられました。


『部隊気をつけ、観閲行進準備』「観閲行進発起の態勢をとれ!」観閲部隊指揮官の号令一下、後方の車輌に向かって駆け出す観閲部隊。


それぞれの車輌に乗り込みます。


行進開始線へ移動する第3音楽隊。


観閲行進が始まりました。先頭は第3音楽隊が行進曲「大空」を演奏しながら徒歩行進。


観閲部隊指揮官、浜崎二等陸佐の搭乗する、第3特科隊/本部管理中隊の82式指揮通信車。


『観閲行進』音楽隊の曲が「祝典ギャロップ」に変わり、観閲行進が始まりました。先頭は観閲部隊指揮官と幕僚の行進。


第3特科隊部隊指揮官と隊旗の搭乗する1/2tトラック。


第3特科隊幕僚の搭乗する1/2tトラック。

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