「こちら偵察隊、敵警戒部隊後退!」敵警戒部隊が後退し、偵察部隊は引き続き敵陣地解明のため前進します。


続いて主力部隊が展開を開始。最初に進入するのは第3高射特科大隊/本部管理中隊の82式指揮通信車。後続の高射特科部隊のため陣地を偵察します。


「短SAM・近SAM班、対空戦闘、射撃準備。射撃方向4800ミル、特科中隊を援護する。低空レーダーは監視準備!」高射部隊指揮官の指揮のもと、高射特科部隊が陣地進入開始。第3高射特科大隊/第2中隊の81式短距離地対空誘導弾×2輛が手前と奥に進入しました。


続いて第3高射特科大隊/本部管理中隊の79式対空レーダ装置JTPS-P9×1輛が進入。


さらに第3高射特科大隊/第1中隊の93式近距離地対空誘導弾、通称近SAM×2輛が進入。


アンテナ展開作業中の対空レーダ装置JTPS-P9。対空監視を実施し、敵航空機を探知します。


射撃準備中の第3高射特科大隊/第2中隊の81式短距離地対空誘導弾、通称短SAM。この誘導弾は自ら敵航空機を追随して撃墜します。現代戦において空からの攻撃は大きな脅威であり、高射部隊の装備はこれらの脅威から味方を護り、敵の航空機等を撃墜するために対空戦闘を実施します。


続いて特科部隊が陣地占領を開始。まずは陣地偵察のため、第3特科隊/本部管理中隊の82式指揮通信車が進入。指揮をとるのは訓練展示担任官を務める第3特科隊/第1中隊長です。


「中隊、陣地占領用意。中隊は現在地に陣地を占領する。射撃方位角4800。各誘導員、進入火砲を誘導せよ。用意!」
82式指揮通信車から火砲を誘導するための隊員が降車しました。


会場右手から、第3特科隊の装備する155mm榴弾砲FH-70が5門、第3後方支援連隊/第2整備中隊/特科直接支援隊の整備車輌1輛が進入。


FH-70は次々と射撃陣地に到着後、ただちに牽引車から砲を切り離し、射撃準備に入りました。


砲身にロープをかけ、人力で180度回転。今回の訓練展示には、第3特科隊/第1中隊から2門、第2、第3、第4中隊から各1門のFH-70が参加しています。


潜入したレンジャー部隊が敵の迫撃砲陣地を発見し、無線で射撃要求。
「こちらレンジャー。効力射、座標153、590。敵迫撃砲陣地。すみやかに制圧射撃頼む!」「こちら特科了解。用意次第、射撃を開始する。」「中隊効力射、中隊5発!方位角4800、射角700。当初2発、左より指命!」中隊長の指揮により射撃が開始されあます。「射撃ようーい、撃て!」


擬爆筒が爆発し、弾着を現示しています。FH-70は続いて3発射撃。
「3発、各個に撃て!」


第3中隊のFH-70が故障したという想定で、火砲修理車が駆けつけました。すみやかに修理を施し、砲を射撃可能な状態にします。


「最終弾、だんちゃーく・・・いま!送レ」「任務終了、敵陣地制圧。」「撃ち方やめ!」我が火力による効果を確認した射撃部隊は現在の目標に対する射撃を終了し、次の射撃任務に備えます。


「師団作戦地域対空警報!対空警報発令!敵航空機接近中!各部隊は対空戦闘体勢をとれ!」「対空戦闘開始!」敵航空機の接近を警告する対空警報が発令され、第3高射特科大隊の保有する低空レーダー、JTPS-P9が敵機を補足し、短SAM、近SAM、指揮通信車の12.7mm重機関銃が一斉に対空戦闘を開始。93式近距離地対空誘導弾は展示のため観閲台前に移動しました。


93式近SAMの目視誘導装置を操作する隊員。この誘導弾は低空域に進入する敵戦闘爆撃機および攻撃ヘリコプターを撃墜し、部隊・施設等を直接援護する対空火器で、8発の誘導弾を搭載。3名で操作し、機動性に優れ、輸送ヘリで空輸する事もできます。93式近SAMの後方では、2名の隊員が携帯地対空誘導弾(携SAM)を操作しています。


当初、81式短SAMが遠距離において射撃を実施。


なおも接近する敵航空機に対し、近SAM、携SAM、重機関銃が対空射撃を実施。


「目標、敵対戦車ヘリ!射撃用ー意、撃て!」一斉に射撃を開始する高射部隊。特科砲班の隊員も小銃射撃。「敵機撃墜!」「撃ち方やめ!」我が対空火力により、敵航空機の撃墜に成功しました。


「対空警報解除、対空警報解除!」対空警報が解除され、高射部隊は引き続き対空警戒の任務にあたります。


「こちら前進観測班、攻撃準備射撃発動!攻撃準備射撃発動!」「中隊3発!各個に撃て!」特科部隊が攻撃準備射撃を開始。「最終弾、だんちゃーく・・・いま!送レ」「こちら前進観測班、任務完了。敵陣地制圧!」「撃ち方やめ!」


攻撃準備射撃間に近接戦闘部隊が進入。まずは第3戦車大隊/本部管理中隊の96式装輪装甲車が会場左手から登場しました。この車輌は乗車人員10名で、主として普通科部隊等に装備され、作戦機動に引き続き敵の脅威下に戦場機動し、人員輸送等に使用されます。


続いて第3戦車大隊/第1中隊の74式戦車が進入。この戦車は乗車人員4名、最高速度50km/h、エンジン出力は720馬力。戦車砲を装備し、夜間でも移動・射撃が可能。地形に合わせ、油圧により自在に姿勢を変化できます。戦車砲には砲安定装置がついており、車体姿勢が変化しても、一定の目標を照準し続けられます。戦車に追随して、第7普通科連隊の軽装甲機動車も進入しました。


突撃を企図する友軍より、無線で突撃支援射撃要求が入りました。
「こちら前進観測班、突撃支援射撃発動、突撃支援射撃発動!」特科による突撃支援射撃が開始されました。「突撃支援射撃、中隊5発!」そして最後に全火砲による連続射撃。「中隊3発!連続斉射!斉射用意、撃て!」5門のFH-70が連続斉射を実施しました。


「突撃支援射撃、最終弾、だんちゃーく、いま!」


「こちら戦車、突撃開始!」戦車をはじめとする近接戦闘部隊が突撃を開始。


第7普通科連隊/第2中隊の軽装甲機動車も突撃。車上の銃座にはなぜかMINIMIではなく89式小銃が載っていました。


「砲手撤甲、撃て!」

←戻る 次へ→