陸上自衛隊 第13旅団・海田市駐屯地創立記念行事



海田市駐屯地祭に行ってきました!

11月2日(日)、広島県は海田町に所在する陸上自衛隊海田市駐屯地において、第13旅団・海田市駐屯地創立記念行事が挙行されましたので遠征してまいりました。海田市駐屯地と言えば、我が中国地方を警備担当区域とする第13旅団の司令部所在地。しかも今年は旅団創立10周年の節目の年という事で、行事内容もかなり充実したものなのではないかと期待もふくらみます。
さて、今回も経費節約のため高速道路ではなく下道を使う事にしたのですが、休憩時間を入れて4時間の行程と見積もって04:30に岡山の自宅を出発したところ、早朝のためか国道2号線もガラガラに空いた状態で、結局07:30には現地到着してしまいました。何か、高速道を使うのと大差なかったですよ・・・。当然、まだ開門もしていないので近くのコンビニ駐車場で1時間ほど仮眠をとって時間を潰した後、08:30に駐屯地へ進入。駐車場へ車を停め、さっそく式典会場へ向かいました。
第13旅団は今年3月に即応近代化旅団に改編され、出雲駐屯地の第13対戦車中隊が廃止、逆に第13偵察隊が増強され、海田市駐屯地の第47普通科連隊が中部方面混成団に配置替え(所在は海田市のまま)となるなどの変化がありました。またそれに伴い、各普通科連隊や偵察隊に軽装甲機動車が配備されたほか、新たに01式軽対戦車誘導弾や対人狙撃銃が導入されるなど装備面も向上。駐車場から会場へ向かう途中にも各部隊の軽装甲機動車の姿が見て取れ、部隊の改編を実感する事ができました。
海田市の記念行事を見学する時はいつも席取りに苦労するのですが、今回は運良く観閲台の右側、階段状に設えられた一般席の最上段を確保できたので、そこに腰を落ち着けて式典開始を待つ事にしました。今日は雲も多く多少の肌寒さはあるものの、とりあえず晴れています。ここのところお天気に恵まれなかった私にとって、久々の駐屯地祭日和となりましたよ。


駐車場から式典会場へ向かう途中に見た、第13偵察隊(出雲)の85式地上レーダ装置JTPS-P11。シェルタに偵察隊のマークがペイントされています。


3月の改編によって配備された、第13偵察隊の軽装甲機動車。前部ドアに偵察隊のマークがペイントされています。通信用のアンテナが車体側面上側の中央部にあるのも特徴的です。


式典開始を待つ第13戦車中隊(日本原)の74式戦車。やはり戦車は人気があるのか、多くのお客さんが見学していました。


09:40ごろから観閲部隊の入場が始まり、10:00、第13旅団長・平野 治征陸将補を観閲官に、第13旅団副旅団長兼ねて海田市駐屯地司令・田原 昭彦一等陸佐を観閲部隊指揮官として、第13旅団・海田市駐屯地記念行事に伴う観閲式が開始されました。観閲部隊は向かって左から、第13音楽隊、第8普通科連隊、第17普通科連隊、第46普通科連隊、第13特科隊、第13後方支援隊、第13偵察隊、第13高射特科中隊、第13戦車中隊、第13施設中隊、第13通信中隊、第13旅団司令部付隊、第47普通科連隊、第302普通科直接支援隊、海田市駐屯地業務隊で、観閲部隊指揮官以下796名が参加しています。
式典は観閲部隊指揮官入場、感謝状受章者紹介、観閲官臨場、国旗入場、巡閲、観閲官式辞、来賓祝辞、来賓紹介、祝電披露というプログラムで進行しました。


観閲部隊入場。会場右手より入場する第13後方支援隊。


入場する第13後方支援隊。輸送科や衛生科の職種色もあってカラフルですね。


会場左手より入場する第13特科隊。


私のちょうど正面あたりに入場してきた第47普通科連隊。


観閲部隊指揮官入場。先導する白バイの警務隊隊員は、常装ではなく迷彩服を着用しています。


観閲部隊指揮官に敬礼。第13旅団副旅団長兼ねて海田市駐屯地司令・田原 昭彦一等陸佐が部隊に答礼しました。


観閲官臨場。警務隊の1/2tトラックに先導されて、観閲官と旅団旗が入場しました。


黒塗りの乗用車から降りて観閲台へ向かう観閲官、第13旅団長・平野陸将補。


観閲官に対し、栄誉礼!音楽隊による「栄誉礼冠譜および祖国」における冠譜は2回でした。


答礼する平野旅団長。久々に栄誉礼を見ましたがやはりカッコいいシーンですね。


整列する観閲部隊。本日は観閲部隊指揮官以下796名が参加しています。


国旗入場。このあと登壇した国旗に対し、音楽隊による君が代吹奏のもと敬礼が行なわれました。


巡閲に際し、観閲官を迎える観閲部隊指揮官。
「副旅団長 田原一佐以下、人員796名、車輌156輛、航空機7機!ご案内します。」


平野陸将補による巡閲。


巡閲を終えた平野陸将補。お髭が立派ですねぇ。


観閲官式辞。
「諸官、創立記念にあたり、現在の旅団・駐屯地があるのは創設以来地域住民の皆様のご理解とご支援のもと、歴代師団長・旅団長をはじめとする諸先輩のご努力、志し半ばで殉職された隊員の尊い犠牲と、多大なご功績の賜物である事に思いを致し、第13国防必遂近代化旅団、地域と共にある駐屯地を目標に、一致団結して努力していこうではないか。また防衛省自衛隊の不祥事が大きく発生する中にあって、我々は隊員としての使命を深く自覚し、与えられた任務をただただ、黙々と一所懸命に遂行する事が国民の信頼を勝ち得る王道である事を肝に命じ、厳正なる規律を保持し、一致団結、さらにさらに精進しよう。」と述べられました。


来賓祝辞。最初に衆議院議員、中川秀直氏。
「皆さんはご担当いただいている中国地方5県の防衛、また警備、災害派遣に大変なご努力を日夜いただいております。これは5県の県民にとっては大きな安心の礎であり、そしてまた基盤であります。5県の多くのみなさんを代表して、心から感謝をいたしたいと思っております。地元においては今年2月、恐羅漢の遭難救助にも大変なご尽力をいただきました。地元を代表して、その点についても心から感謝致します。最後に、国民のために日夜鍛練を重ね、そしてご努力いただいている皆さんは我々にとって誇りであります。今後とも、国民県民と共に歩む陸上自衛隊と13旅団としてご発展いただくよう心から祈念して、お祝いの言葉といたします」と述べられました。


続いて衆議院議員、岸田文雄氏の祝辞。
「隊員の皆様方におかれましては、国民の大きな期待をしっかりと自覚していただき、そしてこれを誇りに思っていただき、これからもご奮闘いただきますよう、心からお願いを申し上げる次第でございます。13旅団の皆様方、我々中国地方で生活する人間にとりましては安心・安全を考える際にはなくてはならない、欠く事のできない存在でございます。ぜひこれからもおおいにご活躍いただき、ご健勝でご奮闘いただきます事を心から願いながら、式典にあたりましてのお喜びの言葉とさせていただきます。」と述べられました。


最後に広島県知事、藤田雄山氏の祝辞。例年だと代理の方が来られるのですが、さすがに旅団創立10周年という事もあってか、知事本人が来られてました。
「第13旅団の皆様には、日頃から防衛・警備活動の他、大規模地震や事故発生時の災害派遣など、中国5県の安全・安心の確保にご尽力をいただいているところでございます。とりわけ本県では今年2月の恐羅漢山における行方不明者の捜索救助活動や、先月完成をいたしました宮島・白糸川の災害復旧工事における、大型ヘリコプターによる給油等、多大なご支援をいただき、改めてこの場をお借りして厚く御礼を申しあげます。」と述べられました。


観閲行進準備のため、観閲部隊の退場が始まりました。「中隊左へ、進め!」さすがに旅団の記念行事ともなると、部隊の退場も大がかりです。


退場する第13戦車中隊。戦車帽にゴーグルを着用し、折曲銃床型の89式小銃を担っています。

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