陸上自衛隊 日本原駐屯地創設43周年記念行事



日本原駐屯地祭に行ってきました!
10月25日(土)、岡山県は奈義町に所在する陸上自衛隊日本原駐屯地において、創設43周年記念行事が挙行されましたので遠征してまいりました。翌26日には岡山市の三軒屋駐屯地記念行事が控えており、岡山県在住のファンにとってはまさにオーイェー!な2日間となったわけでございますが、残念な事にまたしてもお天気が思わしくなく・・・。25日も「晴れ」の予報だったはずが、昼過ぎまでどんよりとした空模様のうえ、非常に肌寒い気候となってしまいました。さて、早朝05:45、お仲間の岡山県人さんと合流して一路日本原駐屯地へ。08:00頃に現地へ到着し、09:00の開門を待って駐屯地へ進入いたしました。
駐車場へ車を停め、さっそく式典会場へ。今回はいつもとは目線を変えてみようという事で、例年陣取っている観閲台左後方の土手の上ではなく、観閲台右前方のフェンス脇に腰を落ち着けました。
会場には既に観閲部隊の車輌が並んでいましたが、驚いた事に一番手前になんと96式装輪装甲車の姿が見えるじゃあ〜りませんか!部隊表記を見てみると「14後支-2整」とあります。つまり第14旅団隷下部隊の第14後方支援隊/第2整備中隊/戦車直接支援小隊の車輌なわけですが(同小隊と第14戦車中隊は四国を管轄する第14旅団の隷下部隊ですが、演習場の関係からここ日本原に駐屯しています)、我が第13旅団にようやく軽装甲機動車が配備されて喜んでいたら、おとなりの第14旅団はさらに新装備化が進んでいたようです・・・。(注:装備としての制式化は軽装甲機動車の方が後なので、「新装備化」という言い方は本来適当ではありませんが、各部隊への配備状況からこのような印象があります)まぁ、第13旅団の車輌ではないにせよ、中国地方、それも我が岡山県に初めて96式装輪装甲車が配備されたという事で、ファンとしては喜ばしい事ではありますね。


08:00頃、駐屯地と演習場を結ぶ道路で開門待ちをする車列。皆さん朝も早くから熱心ですね・・・。


正門のアーチ。写真は昼頃のものです。


グラウンドに並べられた観閲部隊の車輌の中に、96式装輪装甲車の姿が・・・!中四国地方では初の配備となる、第14後方支援隊/第2整備中隊の車輌です。
09:45頃から観閲部隊の入場が始まり、10:00、第13特科隊長兼ねて日本原駐屯地司令・高橋弘典一等陸佐を観閲官に、第13特科隊副隊長・古田直樹二等陸佐を観閲部隊指揮官として、日本原駐屯地創設43周年記念に伴う観閲式が開始されました。観閲部隊は観閲台の向かって左から、第13音楽隊、第13特科隊本部管理中隊、同第1中隊、同第2中隊、同第3中隊、第13高射特科中隊、第13戦車中隊、第14戦車中隊、第13後方支援隊/第2整備中隊、第14後方支援隊/第2整備中隊/戦車直接支援小隊です。整列した観閲部隊を見てみると、第13後方支援隊が未だ64式小銃を使っているのに対し、第14後方支援隊は既に89式小銃に替わっているのが見て取れます。優遇されてるなぁ、第14旅団・・・。
式典は通常通り、観閲官臨場、国旗入場/敬礼、巡閲、執行官式辞、来賓祝辞、来賓紹介、感謝状贈呈者紹介、祝電披露と続き、その後観閲行進が行なわれました。観閲行進は、観閲部隊指揮官・古田二佐以下人員283名、車輌46輛、火砲12門、地対空誘導弾搭載車輌5輛、戦車8輛、航空機2機により実施されました。


車輌に搭載するM2重機関銃を運ぶ隊員。


09:45、観閲部隊の入場が始まりました。写真は第13音楽隊。


入場する第13特科隊。昨年まで64式小銃を使っていた同隊も、今年は89式小銃に替わっていました。


入場する第13特科隊の幕僚と隊旗。


入場する第14戦車中隊。幹部の拳銃ホルスターに注目。伝統的な茶色の革製ヒップホルスターではなく、レッグホルスターを着用しています。


整列する中隊旗。手前の2本は色が違って見えますが、共に機甲科のオレンジで、奥が第13戦車中隊、手前が第14戦車中隊です。歴史の古い第13戦車中隊の方が色が褪せてるんでしょうね・・・。


整列を終えた観閲部隊。


観閲部隊指揮官入場および敬礼。入場した観閲部隊指揮官・古田直樹二等陸佐が、観閲部隊に答礼しました。


観閲官臨場に際し、先導する警務隊のオートが進入してきました。警務隊の隊員が迷彩服を着用している姿は初めて見ました。


観閲官臨場。観閲官、高橋一等陸佐が黒塗りの業務車で入場しました。


観閲官に敬礼する観閲部隊。


登壇した観閲官が、観閲部隊に答礼しました。


国旗入場。このあと国旗が登壇し、音楽隊の君が代吹奏のもと敬礼が行なわれました。


巡閲。観閲部隊が高橋一等陸佐の観閲を受けます。


巡閲中の観閲官、高橋一等陸佐。


観閲官式辞。
「いま自衛隊は国際平和協力活動を遂行しつつ、即応体勢を維持し、あらゆる事態に迅速かつ実効的に対応できる、国民から信頼される組織である事が強く求められております。そのような中、防衛省・自衛隊において国民の信頼を失墜する一連の不祥事、およびイージス艦と漁船の衝突事故が発生した事はまことに遺憾であり、防衛省として組織の改革に取り組んでいくところですが、日本原駐屯地といたしましても、国民の皆様の防衛省・自衛隊に対する信頼回復に寄与する事が緊急の課題であると認識し、組織の健全性向上をはかっていくところであります。」と述べられました。


来賓祝辞。まずは自民党の衆議院議員、阿部俊子氏。
「中央における不祥事が第一線で一生懸命働いている方々に大変ご迷惑をおかけしました。これも私ども国会議員が行政監視をしっかりとしていないがためであります。大変申しわけありません。」「皆さんには大変ご苦労をおかけいたしますが、集団自衛権に関しましてもまったく整理ができない状態でありまして、ご迷惑をおかけしています。国会議員として、しっかりと仕事をさせていただきたいと思います。」と、なにやら謝ってばかりの祝辞でした・・・。大変声の大きな議員さんでした。


続いて民主党の参議院議員、姫井由美子氏。参院選における「姫の虎退治」で当時メディアを賑わせましたが、むしろその後のスキャンダルで有名になったような気もします・・・。
「安全保障政策は時として国会で激しく意見が対立し、そこに政局が絡んでくる事もしばしばございます。しかし我々は、国会の審議の場におきましても、過酷な環境で任務にあたっておられる皆様の事を常に思い、私は議論をしていかなければならないと思っています。堂々と、国民を代表して活動をしていただくためにも、ぜひこれからも力を尽くしていきたいと思います。」と述べられました。


県知事代理として祝辞を代読された、岡山県危機管理監の長井龍則氏。
「本県でも近年では平成16年の台風災害にあたり、玉野市での救助活動をはじめ、被災地での防疫活動、給水支援など、対応の困難な活動を実施していただいたところでございます。災害のみならず平常時におきましても、本県の各種防災訓練に積極的にご参加いただくなど、危機管理や防災対策の推進に多大なご支援とご尽力を賜っているだけでなく、地元との各種交流などを通じて、地域の活性化にも格別のご貢献をいただいているところであり、本県の安全安心を預かる者といたしましては、まことに心強い限りであり、重ねて感謝を申しあげます。」と知事の祝辞を代読されました。


続いて日本原駐屯地の所在する奈義町の町長、花房 昭夫氏の祝辞。
「日本原演習場ににおきましても、ここ数年地元関係者のご理解、ご協力をいただきながら、大きな節目を迎える事となりました。平成18年、19年には日米協同訓練が実施されました。また懸案でありました東地区での射撃が今年実に38年ぶりに再開されました。我が奈義町は、自衛隊との共存共栄を基本理念として掲げ、合併しない単独の行政を進めているところでございます。国防の一翼を担う基地所在の町として、大きな誇りを持ってこれからも奈義町の発展と共に、駐屯地の発展、そして演習場の安定的使用に向けて、更に、更に努力を続けてまいる所存でございます。」と述べられました。


続いて津山市長、桑山 博之氏の祝辞。
「昨年、日本はある意味普通の国になりました。すなわち自衛隊が日本国の中において、防衛庁が防衛省に格上げをせられた、そして日本の事だけではない、世界の平和から日本の平和が守られる、そのような大きな意義を、すなわち国際平和維持活動も自衛隊の本来の任務であると、そのように大きく位置付けられ、誇りある隊としてますます位置付けられたのであります。わが町に自衛隊ありと、そのことを市民と共に誇りに思えるような、そのような地域にしたいと思います。」と述べられました。
このあと来賓紹介、感謝状贈呈者紹介、祝電披露が行なわれました。


「観閲行進の、体勢をとれ!」観閲部隊指揮官の号令で一斉に車輌に向かって駆け出す隊員達。


観閲行進。先頭は第13音楽隊が行進曲「凱旋」を演奏しながら徒歩行進しました。

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