退場する特別儀杖隊。


観閲官に対し栄誉礼。「捧げー銃!」


観閲部隊の栄誉礼を受ける福田総理。このあと君が代吹奏のもと国旗掲揚が行なわれました。


巡閲に向かう福田総理。


スタンド席のお客さんが日の丸の小旗を振って見送りました。


福田総理の巡閲を受ける防衛大学校学生隊。


自衛隊最高指揮官である福田康夫内閣総理大臣の訓示は以下の通り。
(※ICレコーダーで録音したものを書きおこしているので、少し間違っているところがあるかもしれません)
「本日、自衛隊記念日観閲式に臨み、志気旺盛で規律正しい隊員諸官の雄姿に接することができ、観閲官としてまことに心強く思います。自衛隊はわが国の平和と独立を護り、国の安全を確保するという国家のもっとも基本的な役割を担う組織として、創設から半世紀以上に渡りその任務を立派に果たしてきました。私は我が国防衛という使命を果たすため昼夜を分かたず任務や訓練に精励している隊員諸官を誇りとします。
近年、我が国を取り巻く安全保障環境は変化を続けており、自衛隊に求められる役割はますます多用かつ重要なものとなっております。
本年1月、防衛省が発足しました。これは隊員諸官や諸先輩が長年に渡り国防という崇高な使命にささげた努力の賜物であり、また防衛省自衛隊が担う責任の重みや任務の重要性について広く国内外の理解が得られた事を示すものであります。防衛省の発足に合わせ国際平和協力活動が自衛隊の本来任務とされました。我が国の安全保障を確固たるものとするためには国際社会が協力して行なう平和と安定のための活動に主体的・積極的に取り組む事が重要であり、国際的に信頼される国家として、果たさなければならない務めでもあります。昨年はイラクにおいて陸上自衛隊がひとりの犠牲者も出す事なく、人道復興支援活動等を完遂しました。これは長い自衛隊史における忘れる事のできない快挙であります。そして現在、イラク、インド洋をはじめ世界各地で隊員諸官が活躍し、その活躍ぶりは高く評価されております。私は遠く日本を離れ、厳しい環境の中、汗を流し志気高く任務を遂行している隊員諸官に対し、心から敬意を表します。インド洋における海上自衛隊の補給活動は海上輸送に資源の多くを依存する我が国の国益に合致するもので、我が国が国際社会に対して果たすべき責任であり、国連をはじめ国際社会からの強い支持と、活動継続の要望をいただいているこうした活動を私は引き続き継続する事ができるよう、全力を尽くします。
日米安保体制は我が国の安全保障の要であるとともに、アジア大平洋地域をはじめとする国際社会の平和と安定に極めて重要な役割を果たしております。特に在日米軍の再編については日米安保体制を一層実効的なものとするとともに、地元の負担軽減のため今後とも沖縄の地元の切実な声に耳を傾け、地域振興にしっかりと取り組みながら着実に進めてまいります。
今年は石川県能登半島沖や新潟県中越沖において大規模な地震が発生するなど、自然災害が国民生活に不安をもたらしており、災害時等における自衛隊の活動に対し大きな期待が寄せられております。
防衛省自衛隊においてはゲリラや特殊部隊の攻撃、大規模災害を含む様々な事態により迅速に対応するため、陸上自衛隊中央即応集団を新設し、即応体制の整備を行なうなど危機管理体制の強化を図ってきました。隊員諸官においても、国民の安全・安心が諸官の双肩にかかっている事に思いを致し、任務に臨まれたいのであります。
私は就任以来、政治と行政に対する信頼の確保は喫緊の課題であると述べてきましたが、防衛省自衛隊において近年、規律の保持や情報管理の問題事案が発生している事はまことに遺憾であります。国の防衛は国民の信頼無くしてはなし得ません。特に幹部諸官はこの事を強く自覚し、厳正な規律を保持する必要があります。その上で幹部はもとより全ての隊員のひとりひとりが能力を高め、誇りをもって職務に精励し、国民の期待に真に応えていく事を切望いたします。
結びに、自衛隊の最高指揮官として私も隊員諸官と心を一にし、我が国防衛という崇高な使命を果たすという決意を述べ、訓辞といたします。」

安倍総理の突然の辞任による政界の混乱ぶりは連日の報道で我々もよく知るところですが、そんなゴタゴタの中で就任したにも関わらず福田総理はやはり大物のオーラを醸し出していましたね。一昨年、航空観閲式で拝見した小泉元総理のような鋭いイメージはなかったものの、福田総理は柔和な中に秘めた強さのようなものを感じました。


普通科部隊を巡閲する福田総理。


観閲官訓示。


訓示を傾聴する観閲部隊。


『観閲行進準備』「観閲行進の体勢をとれ!」観閲行進準備のため退場する部隊。


ドラムが鳴り響く中、部隊が次々と退場していきました。


退場する普通科部隊。


退場する空挺部隊の指揮官クラスの隊員。手にした9mm機関拳銃には弾倉も入っているようです。


空挺部隊は折り曲げ銃床の89式小銃を携行。


退場する海上自衛隊女性自衛官部隊。


観閲行進も実に迫力のあるものでした。何しろ人員4200名からなる行進は私も初めて見ます。また車両行進では西日本ではなかなか見られない装備や私にとっても初見の車両が多く登場し、大きな収穫となりました。
式典の後は朝霞振武太鼓と武山自衛太鼓による和太鼓演奏、少年工科学校の生徒隊によるファンシードリル演技、さらに東部方面音楽隊と第1特科隊による大序曲「1812年」の演奏が行われました。


『観閲行進!』先頭は陸海空合同音楽隊。陸上自衛隊50周年記念行進曲「凱旋」を演奏しながら入場。


福田総理の観閲を受ける合同音楽隊。編成は陸上自衛隊中央音楽隊(指揮官・武田 晃一等陸佐)、海上自衛隊東京音楽隊(指揮官・熊崎 博幸二等海佐)、航空自衛隊航空中央音楽隊(指揮官・大坪 修二等空佐)です。


音楽隊は観閲台前を通過後、クルリと回って総理の面前へ。


行進曲「陸軍分裂行進曲(抜刀隊)」の演奏で、徒歩部隊の観閲行進が始まりました。


徒歩部隊の先頭は観閲部隊指揮官、第1師団長・武田陸将と幕僚の搭乗する73式小型トラック。


武田陸将と師団長旗。この観閲式に参加する車両は全て部隊表記が消されているので、車両の所属部隊は不明です。


部隊用国旗の行進。


防衛大学校学生隊の行進。


詰め襟の短いジャケットが特徴の防衛大学校。後ろの方に女性の学生もいましたが、男子学生と全く同じ制服を着用していました。


着剣した64式小銃を担い堂々の行進。


福田総理の観閲を受ける防衛大学校学生隊。


防衛医科大学校学生隊の行進。


防衛医科大学校の男子学生は防衛大学校と同型の制服ですが、女子学生は独自にシングルブレザーの制服が用意されています。

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