護衛艦「はつゆき」型


〈護衛艦「まつゆき」DD-130  040808.高松〉

諸元・性能
全長 130m
全幅 13.6m
深さ 8.5m
吃水 4.2m(「やまゆき」以降は4.4m)
基準排水量 2,950t(「やまゆき」以降は3,050t)
エンジン COGOG方式ガスタービン4基(川崎ロールスロイス・タインRM1C巡航用2基、オリンパスTM3B高速用2基)2軸  45,000PS
速力 約30kt
乗員 約200人
船型 長船首楼型
主要兵装 76mm62口径単装速射砲×1、高性能20mm多銃身機関砲(CIWS)×2、短SAM シースパロー8連装発射機×1、4連装SSM発射機×2、アスロック8連装発射機×1、3連装短魚雷発射管×2、哨戒ヘリコプター×1
備考 「はつゆき」型は主機関に巡航用2基、高速航行用2基のエンジンを使用する自衛艦初のCOGOG方式を採用したオールガスタービン艦である。それまでの護衛艦がどちらかといえば対潜、対空などに特化されていたのに対し、本型は対潜、対艦、対空、対ミサイル、対電子戦の兵装を装備し、対潜ヘリコプター1機を搭載する事で、あらゆる戦闘に対応できるバランスのとれた艦となっている。本型は海上自衛隊艦艇で最もポピュラーな艦載砲であるオットー・メララ社開発の76mm単装速射砲、および対艦ミサイル「ハープーン」を、同年度計画の護衛艦「いしかり」とともに初めて搭載した。また本型で最も特記すべき事項は、レーダー、ソノブイ等のセンサー類と搭載武器とを戦術情報処理装置で連接した戦闘システムを、汎用護衛艦として初めて導入した「システム艦」という点であり、そのシステム構成は後の時代に飛躍的に発展しながらも、現在に至るまでの基本となっている。
本型は上部構造物が軽合金で造られていたが、フォークランド紛争の教訓から8番艦「やまゆき」より鋼製に改められおり、そのため排水量が増大している。
新造時は護衛艦8隻、艦載ヘリコプター8機で構成する、いわゆる「八八艦隊」構想においてその基本構成艦であったが、「むらさめ」型の就役に伴い逐次地方隊へ移籍が進められ、2006年2月の「はまゆき」をもって地方隊への移籍が全て完了した。また12番艦の「しまゆき」は1999年に練習艦に種別変更された。地方隊へ移籍された艦は固有の搭載ヘリを持たなくなるため、飛行甲板のリテーニングレールは撤去されている。
2007年度に海上自衛隊編成の改変によって地方隊隷下の護衛隊が護衛艦隊へ編入されたのに伴い、「はつゆき」型護衛艦も再び護衛艦隊隷下に復帰した。同時にヘリコプターも再度搭載されるようになっている。
2010年6月25日、ネームシップの「はつゆき」が除籍された。
2011年に「しらゆき」、2012年に「せとゆき」、2016年に「やまゆき」が練習艦に種別変更された。また、「あきづき」型、「あさひ」型、「まや」型など新鋭艦の就役による「あさぎり」型の護衛艦隊直轄護衛隊への移籍、「はたかぜ」型の練習艦への種別変更に伴い、「はつゆき」型は練習艦も含め逐次除籍が進んでいる。

艦記号・番号/艦名 起工 進水 竣工 製造所
DD-122 はつゆき
(2010.6.25 除籍)
1979.3.14 1980.11.7 1982.3.23 住友重機浦賀
DD-123 しらゆき
(2011.3.16 練習艦に種別変更)
(2016.4.27 除籍)
1979.12.3 1981.8.4 1983.2.8 日立舞鶴
DD-124 みねゆき
(2013.3.7 除籍)
1981.5.7 1982.10.19 1984.1.26 三菱長崎
DD-125 さわゆき
(2013.4.1 除籍)
1981.4.22 1982.6.21 1984.2.15 石川島播磨
DD-126 はまゆき
(2012.3.14 除籍)
1981.2.4 1982.5.27 1983.11.18 三井玉野
DD-127 いそゆき
(2014.3.13 除籍)
1982.4.20 1983.9.19 1985.1.23 石川島播磨
DD-128 はるゆき
(2014.3.13 除籍)
1982.3.11 1983.9.6 1985.3.14 住友重機浦賀
DD-129 やまゆき
(2016.4.27 練習艦に種別変更)
(2020.3.19 除籍)
1983.2.25 1984.7.10 1985.12.3 日立舞鶴
DD-130 まつゆき 1983.4.7 1984.10.25 1986.3.19 石川島播磨
DD-131 せとゆき
(2012.3.14 練習艦に種別変更)
1984.1.16 1985.7.3 1986.12.11 三井玉野
DD-132 あさゆき
(2020.11.16 除籍)
1983.12.22 1985.10.16 1987.2.20 住友重機浦賀
DD-133 しまゆき
(1999.3.18 練習艦に種別変更)
1984.5.8 1986.1.29 1987.2.7 三菱長崎


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「みねゆき」
右前
〈030802.舞鶴〉
「みねゆき」
右前
〈040731.舞鶴〉
「やまゆき」
右側面
〈020727.呉〉
「やまゆき」
左側面
〈040606.大阪湾〉
「やまゆき」
左後ろ
〈040606.大阪湾〉
「やまゆき」
左前
〈050723.呉〉
「やまゆき」
左後ろ
〈080518.玉野〉
「やまゆき」
右後ろ
〈080518.玉野〉
「やまゆき」
ヘリ格納庫
〈020525.玉野〉
「やまゆき」
応急指揮所
〈020525.玉野〉
「やまゆき」
洗面所
〈020525.玉野〉
「まつゆき」
左前
〈050723.呉〉
「まつゆき」
左上
〈040808.高松〉
「まつゆき」
艦内通路
〈040808.高松〉
「まつゆき」
錨甲板
〈040808.高松〉
「まつゆき」
マスト
〈040808.高松〉
「せとゆき」
左前
〈050723.呉〉
「せとゆき」
右前
〈020518.阪神〉
「せとゆき」
左後ろ
〈020518.阪神〉
「せとゆき」
ヘリ格納庫
〈020727.呉〉
「せとゆき」
艦橋
〈020727.呉〉
「せとゆき」
艦内通路
〈020727.呉〉
「せとゆき」
飛行甲板
〈040606.神戸〉
「せとゆき」
マスト
〈040606.神戸〉