P-2J 対潜哨戒機


〈用途廃止展示機(鹿屋航空基地)#4783  040429.鹿屋〉

諸元・性能
乗員 12人
全長 29.3m
全幅 30.9m
全高 8.9m
全備重量 34,000kg
最大速度 555km/h
巡高速度 383km/h
航続距離 5,000km
エンジン 名称:GE T64IHI-10×2、J3-IHI-7C×2  出力:2850hp×2(T64)、1400kg×2(J3)
武装 127mmロケット弾×8、Mk34魚雷×4
製作 川崎重工
備考 P2V-7の後継機として川崎重工で国産化した対潜哨戒機で、1971年から部隊配備が始まった。P2V-7に比べて機内の居住性向上やエンジン、電子機器類を大幅に改良した機体である。またP2V-7ではレシプロだったエンジンをGE T64-IHI-10ターボプロップエンジンにパワーアップし、それにともないプロペラも4翅から径の大きな3翅に変更、胴体下面のレーダーも空気抵抗の少ない小型で強力なAPS-80Jに変更した。
P-2Jの最も特筆される装備はAQA-5ジェベル・パッシブ・ソノブイ・システムと呼ばれる、潜水艦探知ブイで、索敵海域に撒かれたブイが潜水艦の指紋ともいうべき「音紋」を感知し上空のP-2Jに送信、レコーダーに記録し潜水艦を特定できるものだった。
またP2V-7に比べて胴体が延長され、機内の床も30cm下げられ通路を立って歩けるようになったほか、冷蔵庫も装備され、居住性が格段に向上している。戦闘機と違い一度のミッションが10時間を超える飛行作業はクルーにとってはかなりの負担となるため、任務の成果を上げるためにはこういった居住性向上は必須のものであったと思われる。
83機調達されたP-2Jはふたつの教育航空隊を含む9個航空隊で28年間使用され、1994年に退役するまでのべ61万時間を超える飛行時間を無事故で全うした輝かしい記録を持っている。
自衛隊での愛称はP2V-7から引き続いて「おおわし」。


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