93式 近距離地対空誘導弾


〈第14旅団/第14高射特科中隊(060423.松山駐屯地)#04-4197  060423.松山〉

諸元・性能(誘導弾)
愛称 クローズドアロー
全長 約1,430mm
直径 約80mm
重量 約11.5kg
誘導方式 画像+赤外線誘導方式
製作 東芝
備考 対空ミサイル防衛網を突破して地上部隊直上に接近した低空域の敵航空機を撃墜するための地対空ミサイルで、高射機関砲L-90の後継として高射特科部隊に配備が進んでいる。外見は米軍のアベンジャーとよく似ている。
高機動車の車体に91式携帯地対空誘導弾と同じミサイルを使用する4発×2基の発射機と射撃統制装置を搭載している。荷台の部分に旋回式の発射機を設置しているため、ミサイル発射時のブラストから乗員を護る目的で、乗員室の上面と背面を金属板のカバーで覆っている。
ミサイルは赤外線誘導方式+画像誘導方式なので赤外線妨害手段を有する目標に対しても優位に攻撃できる。発射機の間にはTVカメラや赤外線センサー、レーザー受光部を収めたボックス、IFFアンテナなどが配置されている。普段助手席側のダッシュボードにセットされている射撃操作器は、取り外して車外での使用も可能であり、発射機から離れる事で射手の安全性をはかる事ができる。射撃操作器にはコントロール用のジョイスティックとモニタが付いており、ゲームの世界のような印象を受ける。直上の低高度目標への対空戦闘を任務とするため固有のレーダーは持たない。そのため戦闘情報は上部指揮所から入手するほか、鉄帽に装着するタイプの目視誘導装置を使用して目標の捜索や射撃諸元の測定を行なうようだ。
車内には3人が乗り込む事ができるが、運転席と助手席に挟まれた中央の席の人(一般には指揮官)は足を伸ばすスペースがなく、常にひざを抱えた姿勢を保つ必要があるとか。「長時間だとキツいです」とは隊員の弁。公募によって「クローズドアロー」というニックネームがついているが、通称の「近SAM(きんサム)」の方が浸透しているようである。
2008年度までに計113セットをもって調達を終了した。



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正面
〈061029.日本原〉
左前
〈051113.三軒屋〉
左前
〈021013.伊丹〉
左側面
〈021013.伊丹〉
左後ろ
〈080921.桂〉
左後ろ
〈020929.善通寺〉
右後ろ
〈081005.米子〉
右後ろ
〈061029.日本原〉
右側面
〈060423.松山〉
ランチャー
〈071021.日本原〉
ランチャー
〈021110.三軒屋〉
ランチャー
〈020929.善通寺〉
ランチャー
〈051113.三軒屋〉
ランチャー
〈051113.三軒屋〉
ランチャー
〈051016.海田市〉
ランチャー
〈051016.海田市〉
ランチャー
〈031004.日本原〉
TVカメラ・赤外線センサー・レーザー受光部
〈020929.善通寺〉
訓練弾尾部
発光ダイオード
〈071021.日本原〉
IFFアンテナ
〈071021.日本原〉
乗員室
〈051113.三軒屋〉
射撃操作器
〈040905.米子〉
空中線JAT-F30
〈060219.高知〉
方位駆動制御部
〈090426.善通寺〉
吸排気口
〈090426.善通寺〉
発射機手動ハンドル
左側:高低駆動、
右側:方位駆動
〈090426.善通寺〉
目視誘導装置
〈021110.三軒屋〉
目視誘導装置
〈091115.三軒屋〉