88式 地対艦誘導弾(SSM-1)


〈富士教導団/特科教導隊/第6中隊(富士駐屯地)#04-6505  040718.富士〉

諸元・性能(誘導弾)
全長 約5,000mm
胴体直径 約350mm
重量 660kg
有効射程 百数十km
誘導方式 慣性誘導+アクティブ・レーダーホーミング
製作 三菱重工
備考 航空自衛隊の80式空対艦誘導弾ASM-1をベースに技術研究本部が1979年から8年がかりで開発した地対艦誘導弾。1991年度から部隊配備が始まり、北部・東北・西部各方面隊直轄の特科群(団)などの隷下にある第1〜第6地隊艦ミサイル連隊が装備している。公募によって「シーバスター」という愛称が付けられている。
洋上の目標艦船は捜索評定レーダ装置JTPS-P15によってキャッチされ、情報が指揮統制装置(CCS)に送られる。指揮統制装置のコントロールを受けて88式地対艦誘導弾が海岸に面した山の背後から発射されると、あらかじめプログラミングされたコースに従って山腹を迂回、洋上に出て低高度で飛翔し目標に命中する、という日本独自のアイデアが生かされている。発射直後は慣性誘導方式により固体燃料ロケットモーターで飛び、推進薬が無くなると小型ジェットエンジンで飛翔する。最終段階はミサイル本体に搭載されたレーダーによるアクティブレーダーホーミング方式で誘導される。
ミサイルは車載式で円筒形のキャニスターに納められており、7tトラックをベースにした発射機にはこのキャニスターを6基搭載できる。キャニスターは底部が平らなものと、米の字の部材で強化されたものがある(下記サムネイル参照)。富士総合火力演習の時に確認したところでは、米の字のキャニスターは実弾入り、平らなものはダミーとの事であった。
ちなみにこの88式地対艦誘導弾を艦載化したものが、海上自衛隊の90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)である。


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右前
(040718.富士)
右後ろ
(040718.富士)
左側面
(040828.総火演)
右側面
(040828.総火演)
左側面
(071028.朝霞)
指揮統制装置(CCS)
(040718.富士)
捜索評定レーダ装置JTPS-P15
(050717.富士)
捜索評定レーダ装置JTPS-P15
(071028.朝霞)
誘導弾運搬車
(071028.朝霞)
キャニスター底部
(上段・下段中央が実弾、下段左右はダミー)
(071028.朝霞)