指向性散弾


〈演習用指向性散弾地雷  011028.米子〉

諸元・性能
備考 指向性散弾はスウェーデンが開発した「Fordonsmina13(FFV013)」という対車輌用の指向性地雷をライセンス生産したものである。湾曲した箱状の本体に炸薬と直径1cmほどの金属球が数百個ほど納められており、爆発させることで金属球を前方へ扇状に散布して、接近する目標を一瞬にして制圧する。米軍の装備する「M18クレイモア」に似ているが、指向性散弾の方がサイズも攻撃力も大きい。
配備当初は「指向性散弾地雷」という名称だったが、1998年に日本が対人地雷全面禁止条約に批准してからは、「地雷」の2文字を削除して「指向性散弾」という名称になった。同条約では自動的に爆発する地雷以外は廃棄対象を免れたため、手動起爆方式の指向性散弾の保有を継続できたという経緯がある。
本来は対車輌用の装備であるが、実際には対人用としての使用も想定されており、自衛隊でも「対人障害システム」の構成品のひとつとなっている。これは指令装置・監視装置を用いる事で遠隔地から爆薬を無線操作できるようにしたもので、この指向性散弾を用いたものは特に「障害2型」と呼ばれている。
毎年夏に挙行される「富士総合火力演習」にも登場し、敵歩兵に見立てた風船を指向性散弾で破裂させる様子を見る事ができる。


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