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〈第13旅団/第8普通科連隊(米子駐屯地) 030907.米子〉 |
口径 | 9mm |
全長 | 206mm |
銃身長 | 112mm |
重量 | 830g(弾倉付) |
作動方式 | 反動利用、シングル・ダブルアクション |
給弾方式 | 箱弾倉/9発(+1発) |
発射速度 | 50発/分 |
製作 | ミネベア |
備考 | 中隊長以上の指揮官や対戦車火器の砲手、戦車乗員などが自衛用に携行する拳銃で、スイスSIG社のP220をミネベア(新中央工業)がライセンス生産したもの。米軍から供与を受けていた11.4mm拳銃の後継として、1982年に制式採用された。 近年ではゲリラ・コマンド対処における市街地や狭い建物内での戦闘を想定し、幹部以外の一般隊員が携行するケースも増えている。陸上自衛隊の装備品としては珍しく数社によるトライアルによって選定された拳銃である。某書ではこの銃はグリッピングが悪く、日本人の手には合わないと書かれていたのだが、実際に駐屯地イベントで持ってみたところ、そんなに握りにくくはないように思えた。シングルカラムマガジンが収まる形状のため、米軍のベレッタ等に比べてグリップもずいぶん厚みのない印象を受ける。開発元のSIG社は装弾数15+1発の改善モデルP226を軍用としているが、弾丸が9+1発しか装填できないP220は軍用としては多少頼りない印象である。 2020年5月に、後継の新型拳銃としてH&K社製の「SFP9」が選定され、「9mm拳銃SFP9」として公開された。 〈お寄せいただいた情報〉 P226がSIG社で開発されたのが1980年で、自衛隊が新型制定拳銃のトライアルを開始したのが1982年。P226がトライアルよりも先に開発されたにもかかわらず、自衛隊がP220を正式採用したのは、やはりグリップの問題だった。P220では弾倉にシングル・ロー・マガジン(単列弾倉)という方式をとり、対してP226はダブル・コラム・マガジン(複列弾倉)という方式をとっている。シングルローマガジンが弾丸を縦一列にマガジンに入れていくが、ダブルコラムマガジンは弾丸を互い違いにマガジンに入れていくため、P226では弾丸が互い違いになるぶん、マガジンが、ひいてはマガジンを収めるグリップが一回り大きくなってしまう。 日本人は欧米人よりも手が小さいとよく言われる。また、日本人には当然手の小さい人もいれば大きい人もいる。自衛隊という多数の人が集まる組織では手の小さい日本人でも扱える装備が必要とされたのではないか。そのため、新型のP226よりも、弾丸(威力)は同じなのだから弾数を犠牲にしてでもどんな隊員でもしっかりと握れるグリップの小さなP220がトライアルで勝ったのだと思われる。 |
右側面 (080309.高知) |
右側面 (091024.日本原) |
左側面 (091024.日本原) |
左側面 (060521.善通寺) |
スライドオープン (031004.日本原) |
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撃鉄・撃針 (050522.松山) |
弾倉 (060521.善通寺) |