特別輸送機 B-747-400


〈特別輸送航空隊/第701飛行隊(千歳基地)#20-1101  051030.百里〉

諸元・性能
全長 70.7m
全幅 64.9m
全高 19.06m
自重 178,352kg
乗員 17〜19人(操縦室×2〜4、通信室×3+12人=客室最大)
輸送能力 要人輸送:約150人  邦人輸送:約350人
最大離陸重量 362,873kg
巡航速度 マッハ0.85(約900km/h)
航続距離 約13,000km(約7,000nm)
エンジン 名称:CF6-80C2×4基  型式:ターボファン・エンジン  出力:105,272kg
製作 ボーイング社  ジェネラル・エレクトリック社(エンジン)
備考 特別輸送機は1987年に導入が決定され、「政府専用機検討委員会」において機種等の検討が行なわれ、購入が決定した大型輸送機である。1991年に総理府の予算で2機が購入され、翌年4月に防衛庁に移管されて、本機の運用を任務として新編された特別輸送航空隊/第701飛行隊に配備された。
本機は世界各国のエアラインで活躍しているボーイング747の最新型であるB-747-400をベースに、貴賓室、会議室、随行員席、通信室を設けるなど政府専用機としての改造がなされている。要員の教育や機体の整備は、同型機の運用実績がある日本航空に依託されているため、航空自衛隊において唯一、整備方式にIRAN(機体定期修理)方式を採用していない。
乗組員は全て第701飛行隊に所属する航空自衛官であるため、民航機でいう所のキャビンアテンダント(客室乗務員)もWAFをはじめとする自衛官が務めている。本機は主として内閣総理大臣等の要人輸送の用に供するほか、必要に応じて緊急時の在外邦人などの輸送の用に供する。総理の外遊などで使用されるため、TVに映る機会も多い。2002年には日朝首脳会談に臨む小泉総理一行を乗せ、北朝鮮平壌郊外にある順安飛行場へのフライトを実施したが、あの北朝鮮へ堂々と乗り入れた日本唯一の軍用機、と言えなくもない。
前述の通り本機の整備は日本航空が請け負っていたが、経営再建のため同社のボーイング747が全機退役することになり、同社での整備も継続できなくなってしまった。2014年に後継機としてボーイング777-300ERの導入が決定、2018年からの運用開始を受け、2019年4月にボーイング747−400は退役した。


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左後ろ
(051030.百里)